和室はいらない?家アカ100軒データが示す「畳を作ったのは7軒」の現実と、要る人・要らない人の分かれ目【2026年版】

和室のある住宅|木の質感を生かした和モダンの畳スペース

「和室って、結局いるんでしょうか」。間取りの打ち合わせで、いちばん結論が先送りにされる部屋です。ネット上には「いらない」という記事があふれていますが、そのほとんどは実際に建てた人が何軒作ったのかを示していません。

そこでいえスタ編集部は、取材した家アカ173本の記事本文を機械的に読み直し、「こだわり」として畳のある空間を挙げた家を数えました。結果は100軒あたり7軒。ただし数字より重要なのは、その7軒が広い家ではなく、むしろ平均より小さい家だったことです。

  • この記事で分かること:畳を作った家の実数と型の内訳(小上がり/独立和室/フラットな畳コーナー)
  • 畳のある家に共通していた3つの特徴と、逆にいっしょに選ばれていなかったもの
  • 「和室は要りますか?」に答えないための、3動作チェックと広さの実寸メソッド
目次

結論:畳の空間を作ったのは100軒中7軒。多数派は「作らない」

集計対象は、いえスタが取材した家アカ記事173本です。施主自身が語った「こだわりポイント」と、間取り・仕様の記載をもとに、畳のある空間(和室・畳コーナー・畳スペース)を持つ家を数えました。該当したのは12本=100軒に換算して7軒。残りの93軒は、少なくとも家の見どころとして畳を挙げていません。

型の内訳はこうなります(重複あり)。

軒数(173本中)100軒換算代表例
小上がり(段差あり)7本4軒1.5帖の小上がり/小上がり和室
独立した和室(部屋として区切る)5本3軒こたつを置く和室/将来1階完結の独立和室
フラットな畳コーナー(段差なし)2本1軒リビング内3畳の畳コーナー

ここまでは「和室離れ」という一般論と同じ方向です。国土交通省の住宅・土地統計や、住環境研究所の調査でも、畳スペースを設けない住宅の割合は増え、設ける場合の平均面積も6.5帖から4.2帖へと縮んだと報告されています。実データもその流れと矛盾しません。

ただし、ここから先が競合記事と食い違います。作った7軒は「余裕があったから作った」わけではなかったのです。

畳のある家のほうが1.5坪「小さい」という逆転

畳を作った12本の延床中央値は32坪。作っていない161本は33.7坪、全体では33.5坪です。差はわずかですが、向きが逆でした。広い家が余った床で和室を作っているのではなく、むしろ平均より小さい家が、限られた床の一部を畳に振り分けているという結果です。

実際の顔ぶれを見ると分かりやすいと思います。29坪(@eri_sumirin さんの平屋・リビング内に3畳の畳コーナー)、29.7坪(@222111_gsm さんの和室ダイニング)、28.5坪(@yuzumomo.home さんの小上がり畳ワークスペース)、30坪(@sumirin_oimo さんの大開口リビング+小上がり和室)。30坪前後の家が並びます。

逆にいえば、畳を入れた分どこかを削っています。何を削ったのかは、次のクロス集計にはっきり出ました。坪数と満足度の関係は別記事でも実測していますが、今回も「広さ=正解」ではありませんでした。

平屋の和室|障子と畳で構成した和モダンの部屋
畳のある家の半分は平屋だった。

畳を作った家の半分が平屋。全体の2倍だった

いちばん差が出たのは階数です。畳のある12本のうち6本=50%が平屋。畳のない161本では39本=24%でした。ちょうど2倍です。

要素畳あり12本畳なし161本
平屋50%24%2.1倍
和モダン・ジャパンディ58%22%2.7倍
ウッドデッキ・テラス67%41%1.6倍
中庭0%21%ゼロ
吹き抜け42%54%逆転
シューズクローク・土間収納33%66%半分
造作洗面台25%43%逆転
パントリー58%61%ほぼ同じ
ファミリークローゼット58%56%ほぼ同じ
回遊動線58%52%ほぼ同じ

読み方はこうです。収納系(パントリー・ファミクロ・回遊)はほとんど差がない。つまり畳は、収納を削って作られているわけではありません。差が出たのは「家の抜けをどこに作るか」に関わる項目だけでした。

畳のある家は平屋が多く、和モダンで、デッキを持ち、そのかわり中庭がひとつもなく、吹き抜けも少ない。平屋と2階建ての比較記事で書いた「平屋は縦の抜けを勾配天井で解く」という話とつながります。ワンフロアの平屋では、畳の低い居場所が空間にリズムを作る役割を持てるのです。

和室から庭を眺める|外とつながる畳スペース
畳のある家の67%がデッキ・テラスを持っていた。

中庭がゼロだった意味|畳と中庭は「余白の取り合い」

いちばん驚いたのはここです。畳のない161本では34本(21%)が中庭を持っているのに、畳のある12本には1軒も中庭がありません。母数が小さいので断言はしませんが、21%の出現率で12軒連続してゼロになる確率は1%を下回ります。偶然として片づけにくい数字です。

解釈はシンプルだと考えています。畳も中庭も、「使い道が決まっていない余白」という点で同じ役割を持っています。違うのは置き場所だけ。中庭は屋外に余白を出し、畳は屋内の床を一段低い居場所に変える。どちらも予算と面積を食うので、両方は選べません。

そのうえで、畳を選んだ家の67%がウッドデッキやテラスを持っていました(畳なし群は41%)。こたつを置きたくて和室を作った @_11_aug_ さんの平屋は、大開口とタイルデッキで外につながる家でもあります。囲われた中庭ではなく、開いたデッキ。そのデッキを座って眺める床として畳がある——という組み合わせが、実データから見える典型です。

だから「和室か、中庭か」で迷っている人は、実は同じ質問を2回しています。採用率の高い間取りTOP7と見比べながら、余白をどこに置きたいのかを先に決めるほうが早いはずです。

「客間」と「仏壇」は、施主の言葉に出てこなかった

和室の必要性を説明する記事は、ほぼ例外なく「客間になる」「仏壇を置ける」と書きます。ところが173本の家アカ記事を全文検索したところ、仏壇への言及は0件でした。1件もありません。

畳を作った12軒が挙げた理由も、客間ではありませんでした。実際に施主が語っているのは、こういう言葉です。

共通するのは、全員が「毎日または毎シーズン使う用途」を先に持っていたことです。年に数回の来客のために作った、という家は1軒もありませんでした。

逆にいえば、後悔TOP10の調査で繰り返し出てくる「使わない部屋」は、用途が後から来た部屋です。和室が悪いのではなく、順番が逆だと使われない。それだけの話だと考えています。

「和室は要りますか?」には答えない|畳でしか成立しない3動作で決める

打ち合わせでは、たいてい部屋名から聞かれます。「和室、どうされますか」。この聞き方に答えると、和室は「一応あったほうがいい客間」に落ち着き、年に数回しか使われない4.5畳になります。

代わりに、次の3つに答えてください。畳(床に直接触れる低い床)でしか成立しない動作だけを並べたリストです。

  1. 床に寝転がるか。子どもの寝かしつけ、昼寝、こたつ。ソファではなく床に体を預ける時間が、週に何回ありますか。
  2. 床に座って手を動かすか。洗濯物をたたむ、書きものをする、子どもと工作をする。テーブルではなく床でやりたいですか。
  3. 布団を敷いて寝るか。来客、里帰り、そして将来自分が1階で寝る可能性。年に何泊ぶんですか。

判断の目安はこうなります。

あてはまる数おすすめの解き方
0個畳は不要。その2〜3畳ぶんをリビングか収納に回したほうが満足度は上がる
1〜2個(寝転ぶ・座る)独立した和室ではなく、リビング内の畳コーナー2〜3畳。扉も壁も不要
3だけ(布団を敷く)和室ではなく1階に洋室を1つ。置き畳で足りる。壁と扉があることが本質で、畳は必須ではない
3個すべて独立和室が機能する数少ないケース。ただし4.5畳以上・引き込み戸で開けっぱなしにできる形に

「3だけ」の人が独立和室を作って後悔するパターンが、いちばん多いはずです。年数回の宿泊のために畳を敷き、普段は物置になる。必要だったのは畳ではなく“閉じられる1階の個室”でした。間取りの後悔ポイントでも、この取り違えは繰り返し出てきます。

和室の広さを決める間取り図|畳数ではなく内寸で考える
畳数ではなく、寝転がる180cmが取れるかで決める。

広さは畳数ではなく「寝転がる長さ」で決める

畳コーナーが「思ったより使えない」と言われる原因は、たいてい寸法です。何畳という単位で考えると、実際に置くものが入るか判断できません。実寸で押さえます。

  • 大人が1人寝転がる:約180cm × 60cm
  • 敷布団1組:100cm × 200cm(2組並べると200cm × 200cm)
  • こたつ(正方形75cm角)+座る余白:1辺180cm以上
  • 座って洗濯物をたたむ:90cm × 120cm(体+洗い物のかたまり)
広さ内寸の目安できること/できないこと
1.5畳約135 × 180cm子どもが遊ぶ・座って作業する。大人が寝転ぶと足が出る
2畳約180 × 180cm大人1人が寝転がれる下限。こたつは置ける
3畳約180 × 270cm大人2人が寝転がれる。畳コーナーの実用ライン
4.5畳約270 × 270cm布団2組を並べて敷ける。宿泊対応の下限
6畳約270 × 360cm布団2組+荷物置き場。ただし押入れを引くと実質4.5畳

家アカの実例も、この線に沿っています。@pon._noie さん(33坪)は1.5帖の小上がりを子どもスペースとして、@eri_sumirin さん(平屋29坪)は3畳の畳コーナーをリビング内に。6畳の独立和室は、集計した173本の中でほとんど見かけません。

ちなみに「押入れを引くと実質4.5畳」は、収納計画の記事で書いた内寸の考え方と同じです。畳数は壁芯、使えるのは内寸。ここがずれると、図面では入っていたものが現物では入りません。

小上がりにするなら、契約前に決める3つの数字

畳を作った家のうち、いちばん多かったのは小上がり(7本)でした。段差があるぶん見え方は良く、下を収納にできますが、決めることも増えます。

1. 段差の高さ(30〜40cmが目安)

腰掛けとして使うなら30〜40cm。ダイニングチェアの座面が約42cmなので、40cmはちょうど椅子の高さです。逆に40cmを超えると、上がるたびに「よいしょ」が必要になります。20cm前後だと座るには低く、つまずきやすい高さになります。座る場所として使いたいなら35〜40cm、上がり降りを軽くしたいなら15cm以下——中途半端が一番使いにくい、と考えてください。

2. 下収納の有効高さ(段差マイナス10cm前後)

小上がりの魅力は下の引き出しですが、段差40cmでも構造材と引き出しの枠で数cmずつ削られ、実際に入る高さは30cm前後です。何をしまうかで必要高さは変わります。座布団は15cm、扇風機は40cm、衣装ケースは30cm。しまいたいものを1つ決めてから段差を決めるのが順番です。段差20cmの小上がりに引き出しを付けても、入るのは薄いものだけになります。

3. 費用(既製ユニット15〜30万円/造作30〜60万円)

リフォーム市場の相場では、2〜3畳のコンパクトなもので15〜25万円、4畳程度で25〜40万円、6畳以上で40〜60万円以上。既製のユニットタイプなら15〜30万円、オーダーの造作工事だと30〜60万円が目安です。新築時の造作でも近い水準になります。「3畳の小上がり=おおむね30〜50万円のオプション」と置いて、他の項目と並べて比べてください。費用相場の記事の考え方と同じで、金額を先に置くと迷いが減ります。

あわせて、よく挙がるデメリットも先に潰しておきます。ロボット掃除機は段差を越えられないので掃除は2回に分かれます。角は面取りするか、腰掛ける側を1辺だけにする。段差の立ち上がり部分に間接照明を仕込むなら、コンセントと配線を図面の段階で位置指定しておく必要があります。

作らなかった93軒は、畳の役割をどこに逃がしたか

畳のない161本を見ると、和室が担っていた機能はきれいに分解されて、別の場所に移っていました。

  • 「洗濯物をたたむ」→ ランドリースペースへ。室内干しと家事スペースの記事で書いたとおり、干す・たたむ・しまうを一直線に並べる家が増えています。
  • 「一時的にものを置く」→ ファミリークローゼットとシューズクロークへ。畳なし群のSIC採用率は66%(畳あり群は33%)。玄関収納のデータもあわせてどうぞ。
  • 「くつろぐ」→ 広いリビングとラグへ。畳なし群の51%が「広いリビング」を挙げています。リビングの間取りに床座スペースを織り込む形です。
  • 「泊める」→ 1階の洋室と2階の余り部屋へ。置き畳を数枚買えば、年に数回の宿泊は成立します。

つまり多数派の選択は「和室を我慢した」ではなく、役割ごとにばらして、すでにある場所に配ったという設計です。動線でつなぐ考え方家事ラク動線の実例と同じ発想と言えます。

逆にいうと、この分解ができていない家で和室だけを削ると、「なんとなく置いておく場所」が家からなくなります。冒頭の集計で「作った家のほうが小さかった」のは、たぶんこの逆の現象です。小さい家ほど、多目的に使える床がひとつあると効く。

和室が向いている人・向いていない人

データから見えた輪郭を、そのまま条件に置き換えます。

  • 向いている:平屋またはワンフロアで生活が完結する家/和モダン・ジャパンディのテイストで統一したい/デッキや庭に向かって座る時間を作りたい/将来1階で寝る前提がある/床に寝転がる習慣が今すでにある
  • 向いていない:中庭や吹き抜けなど、別の「余白」にすでに予算を置いている/来客の宿泊が年数回で、それが唯一の理由/ロボット掃除機に全部まかせたい/30坪台で収納量を最優先している

あてはまるものが両方にある場合は、独立和室ではなくリビング内の3畳フラットが現実的な着地点です。段差なし・扉なしなら追加費用は畳の差額中心で収まり、使わなくなってもリビングの一部として機能します。平屋の間取り実例30坪台の実例で、畳の位置を見比べてみてください。

打ち合わせ前に決めておく5つの数字

  1. 床に寝転がる回数(週◯回)。0回なら畳は要りません。
  2. 年間の宿泊人数(◯人 × ◯泊)。年3泊以下なら、和室ではなく置き畳で足ります。
  3. 畳スペースの内寸(◯cm × ◯cm)。畳数ではなく、寝転がる180cmが取れるかどうか。
  4. 段差の高さ(◯cm)。座るなら35〜40cm、上がり降り優先なら15cm以下。
  5. その面積を諦める先(◯畳をどこから持ってくるか)。リビングか、収納か、中庭か。

この5つが埋まっていれば、打ち合わせで「和室どうしますか」と聞かれても、部屋名ではなく用途と寸法で返せます。打ち合わせでやっておけばよかったことで施主が口をそろえたのは、まさに「先に決めておけばよかった」でした。

畳を入れるかは、会社によって得意・不得意が分かれる

今回の12軒の顔ぶれを見ると、和モダンを得意とする会社に偏りがありました。格子戸や下り天井、大黒柱といった和の意匠は、標準仕様の中にどれだけ選択肢があるかで仕上がりが変わります。住友林業の実例一条工務店の実例のように、会社ごとの傾向は実例から読み取れます。

畳コーナーの納まり(畳の厚み、框の見せ方、段差の仕上げ)は図面では分かりにくい部分です。候補の会社に「畳コーナーの施工事例を3つ見せてください」と頼むのが、いちばん早い見分け方になります。建売との比較でも触れましたが、こうした断面と納まりの自由度は、注文住宅でしか触れない領域です。

会社選びの段階なら、まずは資料を並べて標準仕様を比べるところからで十分です。気になる会社の資料をまとめて取り寄せてみる(無料・しつこい営業はありません)。畳の話は、標準にどこまで含まれるかが会社ごとにはっきり違うので、カタログ段階でも差が見えます。

まとめ:和室が要るかではなく、床に座る時間があるか

  • 家アカ173本のうち、畳の空間をこだわりに挙げたのは12本=100軒中7軒。多数派は作っていない。
  • ただし作った家は延床32坪と平均より小さく、半分が平屋、58%が和モダン、67%がデッキ持ち。中庭は0軒
  • 作った理由は客間ではなく、こたつ・在宅ワーク・将来の1階完結といった日常の用途だった。仏壇の言及は173本中0件
  • 迷ったら「床に寝転がるか/床に座って手を動かすか/布団を敷くか」の3動作で判断する。0個なら不要、1〜2個ならリビング内3畳、3だけなら和室ではなく1階の個室。
  • 小上がりにするなら、段差35〜40cm・下収納の有効高さ30cm前後・費用30〜50万円を先に置いてから図面に入る。

次の一手としては、間取りタイプから実例を見るのがおすすめです。畳のある家を実際に見ると、「自分の家には要らない」もはっきりします。そのうえで気になる会社が出てきたら、資料請求で標準仕様を比べてみてください

集計方法:いえスタが取材・掲載した家アカ記事のうち、延床坪数または家タイプが判明している173本を対象に、記事本文と施主のこだわりポイントを機械的に解析しました。「畳あり」は和室・畳コーナー・畳スペースのいずれかを家の特徴として挙げている家を指します(12本)。100軒換算は小数第1位で四捨五入しています。参考:国土交通省 住宅経済関連データ、住環境研究所「間取りの変化」調査。

和室を入れるか迷ったら、間取りプランで比べる 同じ延床で和室ありと和室なしを見比べると、判断がはっきりします

無料で使えます
PRタウンライフで複数社の間取り&見積もりを無料一括請求

※複数社の間取りと見積もりをまとめて比較できます

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次