注文住宅の打ち合わせは、いえスタが取材した家アカ100軒の平均で13回。少ない人で6回、多い人は28回でした。ただ、満足度が分かれていたのは回数ではありません。「どの打ち合わせまでに、何を決めて持ち込んだか」でした。
この記事では、実際に建て終えた100軒に「打ち合わせでやっておけばよかったこと」を聞いた集計結果と、段階ごとの準備リストをまとめます。これから1回目の打ち合わせに行く人も、すでに間取りが動き始めている人も、次の打ち合わせからそのまま使える内容です。

家アカ100軒に聞いた「打ち合わせでやっておけばよかったこと」TOP7
複数回答で聞いた結果がこちらです。上位3つで全体の傾向がほぼ説明できます。
| 順位 | やっておけばよかったこと | 回答数 |
|---|---|---|
| 1位 | 決定事項を自分の側でも記録しておく | 41軒 |
| 2位 | コンセント・スイッチを「家具を置いた図」で確認する | 36軒 |
| 3位 | 予算の上限と優先順位を1回目で伝える | 33軒 |
| 4位 | 平面図だけでなく「高さ」を確認する | 28軒 |
| 5位 | 照明・カーテン・外構を後回しにしない | 25軒 |
| 6位 | 決める前に実物を見に行く | 22軒 |
| 7位 | 夫婦の意見を打ち合わせ前にすり合わせる | 18軒 |
1位:決定事項を自分の側でも記録しておく(41軒)
ダントツの1位でした。担当者が議事録を出してくれる会社もありますが、100軒のうち「毎回きちんと書面で残してくれた」と答えたのは半分弱。残りは口頭で決まって、そのまま次の議題に進んでいました。
問題が起きるのは打ち合わせ中ではなく、着工後です。「洗面の鏡は横長にするって言いましたよね」「その話は前回で戻したはずです」——ここで根拠になるのは、図面に反映されているかどうかだけ。記憶は証拠になりません。
実際にあった声として多かったのが、「変更したつもりが図面に反映されておらず、着工後に気づいて追加費用が出た」というパターン。手直しが効かない時期に見つかると、施主側の負担になることもあります。
2位:コンセント・スイッチは「家具を置いた図」で確認する(36軒)
電気配線の打ち合わせは、たいてい1回、長くても2回で終わります。しかも図面には家具が描かれていません。何もない部屋の図面を見て「ここに2口」と決めるので、住み始めてから「ソファの裏だった」「テレビボードで完全に隠れた」が起きます。
対策はシンプルで、電気の打ち合わせに行く前に、平面図のコピーへ手書きでいいのでソファ・ベッド・テレビ・冷蔵庫・ダイニングテーブル・洗濯機を書き込んでおくこと。これをやった家アカは、後悔の数が明確に少なかったです。ついでに掃除機とスマホ充電の場所も想像しておくと精度が上がります。
3位:予算の上限と優先順位を1回目で伝える(33軒)
「高く見られたくない」「値引きの余地を残したい」と考えて、最初の打ち合わせで予算を濁す人はかなり多いです。ただ、これをやると出てくるプランが予算とズレたまま進み、気に入った間取りを後から削る作業になります。削るのは、足すより何倍もつらい。
伝えるべきは3つ。①総額の上限(土地・外構・諸費用込み)②絶対に譲れないこと2〜3個 ③あきらめてもいいこと。「上限3,800万で、譲れないのは対面キッチンと1階完結の洗濯動線。和室と2階のトイレは無くていい」——この粒度で言えると、1回目から現実的なプランが出てきます。
予算の組み立て方そのものに迷っている場合は、家の広さで後悔したのはどこか(家アカ100軒の坪数と満足度)も先に読んでおくと、上限の決め方がはっきりします。
4位:平面図だけでなく「高さ」を確認する(28軒)
間取りの打ち合わせは平面図が中心なので、高さの話が最後まで出てこないことがあります。窓の下端、キッチンカウンターの立ち上がり、吊り戸棚の位置、階段下の有効高、洗面台の高さ。どれも平面図には出ません。
実際に多かった後悔が「リビングの窓の下端が高くて、座ると外が見えない」「キッチンの吊り戸棚に手が届かず、上段を使っていない」。打ち合わせで「立面図と展開図を見せてください」の一言を入れるだけで、この2つはほぼ防げます。断面のイメージが持てない場合は、今住んでいる家の窓とカウンターをメジャーで測って、その数字と比べるのがいちばん早いです。
5位:照明・カーテン・外構を後回しにしない(25軒)
この3つは打ち合わせの終盤、しかも施主が疲れきったタイミングで一気に来ます。しかも合計すると100万円単位。外構だけで150万〜250万かかった家アカが多く、「本体価格しか見ていなかったので、最後に予算が足りなくなった」という声が目立ちました。
やっておくべきは、契約前の資金計画の段階で外構・カーテン・照明・エアコン・家具家電にざっくり枠を取っておくこと。ここを空欄にしたまま本体で予算を使い切ると、駐車場が砂利のまま何年も残ります。
6位:決める前に実物を見に行く(22軒)
床材も壁紙もタイルも、カタログの小さなサンプルと、床いちめんに広がったときの見え方は別物です。特に濃い色の床、光沢のあるタイル、白い壁紙の質感は、A4サンプルでは判断できません。
ショールームは仕様決めが始まる前に行くのがコツ。始まってから行くと、決定の締切に追われて「とりあえず標準で」になります。同時に、完成見学会やSNSで似たテイストの実例を見ておくと、打ち合わせで自分の希望を言葉にしやすくなります。北欧スタイルの家 実例10選やアイランドキッチンのある家 実例10選のような実例集を、打ち合わせに持っていく人も多いです。
7位:夫婦の意見を打ち合わせ前にすり合わせる(18軒)
打ち合わせの場で夫婦が初めて意見を戦わせると、その回はほぼ何も決まりません。担当者を待たせている焦りもあって、どちらかが折れる形で雑に決着し、それが後の不満として残ります。
前日の夜に15分でいいので、「明日決めること」だけ先に話す。意見が割れたら、その場で無理に一本化せず「両論あります」と担当者に伝えて第三案を出してもらう方が、結果的にいい落としどころになります。
打ち合わせは平均13回。山場は「間取り確定」と「仕様決め」
家アカ100軒の打ち合わせ回数の分布はこうなりました。
| 打ち合わせ回数 | 軒数 |
|---|---|
| 〜9回 | 16軒 |
| 10〜14回 | 43軒 |
| 15〜19回 | 27軒 |
| 20回以上 | 14軒 |
契約から引き渡しまでの期間は4〜7か月が中心。注意したいのは、回数が多い家ほど満足度が高いわけではないという点です。20回以上かかった家の内訳を見ると、後半に変更が多発して回数が伸びたケースが目立ちました。前半で情報を出しきった家ほど、後半が短く、満足度も高いという傾向です。
そして、疲れが出るのは中盤の仕様決め。壁紙・床・建具・水栓・取っ手まで数百項目を短期間で決めるので、判断が雑になります。だからこそ「決めることリスト」を前倒しで潰しておくと効きます。全体の流れを先に把握したい人は家アカ100軒の後悔TOP10/やってよかったTOP10も合わせてどうぞ。
ここまでの7つは、どれも「打ち合わせの相手が誰か」で難易度が変わります。図面に反映されたか毎回見せてくれる会社もあれば、口頭で流れる会社もある。まだ依頼先を決めていないなら、複数社の資料を取り寄せて、進め方まで含めて比べておくと失敗が減ります(無料・しつこい営業はありません)。

段階別・このタイミングまでに決めておくべきだったリスト
100軒の「もっと早く決めておけばよかった」を時系列に並べ替えると、次の3段階になりました。次の打ち合わせがどの段階かを確認して、抜けているものだけ埋めてください。
契約前(1〜3回目)までに
- 総額の上限(土地・外構・カーテン・照明・諸費用まで含めた数字)
- 譲れない条件2〜3個と、あきらめてもいい条件
- 入居したい時期(子どもの入学、賃貸の更新月から逆算)
- 今の住まいの不満を10個書き出す(希望より不満のほうが具体的に出る)
- 手持ち資金のうち、いくらまで頭金に回すか
ここが埋まっていないまま契約に進むと、以降の打ち合わせが全部ぶれます。逆に、この5つが言語化できていれば、担当者が出してくる初回プランの精度がまるで変わります。
間取り確定まで(4〜8回目)に
- 朝と夜の家族の動きを時間で書き出す(誰が何時にどこを通るか)
- 今持っている家具・家電の実寸を測っておく
- 収納したい物の量(衣類、日用品ストック、季節家電、趣味の道具)
- 洗濯を「干す・畳む・しまう」のどこでやるか
- 来客の頻度と、通したい範囲
間取りは、確定してしまうと後から動かすのに構造の検討が入り、時間もお金もかかります。動線と収納はこの段階が最後のチャンスだと思ってください。収納量の目安は後悔しない収納計画(パントリー・WIC・シューズクローク)にまとめています。
仕様決め〜着工前(9回目以降)に
- コンセント・スイッチを家具入りの図で最終確認
- 採用する設備の「使わないかもしれない機能」を一度疑う
- ニッチ・可動棚・タオルバーなど後付けしにくいものの位置
- 外構の見積もりを本体と同時に取る
- 変更にかかる金額の締切日(いつ以降は無料変更ができないか)を聞く
設備は「あれば便利」で足すと、使わないまま維持費だけかかります。100軒の実データはつけて後悔した設備・つけてよかった設備にまとめてあるので、仕様決めの前に一度目を通しておくと判断が速くなります。

「言った言わない」を防ぐ、施主側の記録の残し方
議事録は3行でいい
立派な議事録を作る必要はありません。打ち合わせが終わって車に戻ったら、スマホのメモに3行だけ書きます。
- 決まったこと(例:洗面台は幅90cm・鏡は三面鏡に変更)
- 保留になったこと(例:2階トイレの手洗いは次回まで検討)
- 次回までに相手がやること/自分がやること
これをそのままメールかLINEで担当者に送り、「認識合っていますか?」と一言添える。相手の返信が来た時点で、双方の記録になります。所要時間5分で、着工後のトラブルの大半が消えます。
変更は必ず金額とセットで確認する
打ち合わせ中の「じゃあそれで進めましょう」は、金額が確定していないことが多いです。追加費用が出るのか、出るならいくらか。その場で分からなければ「次回、変更後の見積もりを出してください」と依頼して、記録に残す。小さな変更の積み重ねで、最終金額が100万円以上ふくらんだ家アカは珍しくありませんでした。
なお録音する場合は、必ず担当者に断ってから。黙って録るとお互いの信頼関係に響きます。「あとで聞き返したいので、録音してもいいですか」で断られることはまずありません。
打ち合わせ疲れを防ぐ、夫婦の3ルール
半年で13回、毎回2〜3時間。家づくりの打ち合わせは、思っている以上に体力と関係性を削ります。うまく走りきった家アカが共通してやっていたのが、この3つでした。
- 担当を分ける:お金と契約書はどちらか、間取りと動線はもう一方、のように役割を決める。全部を二人で判断しようとすると必ず止まります。
- その場で決めないルールを作る:金額が動く決断は「持ち帰って翌日決める」と最初に宣言しておく。担当者にも先に伝えておくと角が立ちません。
- 打ち合わせは午前にする:夕方の回は判断力が落ちます。小さな子どもがいる場合は特に、午前の1本目が取れる日を優先して押さえておく。
それでも噛み合わないときは、担当者との相性を疑ってもいいと思います。100軒のうち十数軒が、途中で担当変更を申し出ていました。言いにくいことですが、半年付き合う相手なので、遠慮するほど後で困ります。
次の打ち合わせまでにやること
今日できることを1つだけ選ぶなら、平面図のコピーに手持ちの家具を書き込むことです。上位7つのうち2位と4位はこれで大部分が防げます。図面がまだ無い段階なら、今の家の不満を10個書き出すところから。希望より不満のほうが、具体的で伝わりやすい材料になります。
そして、まだ会社が絞りきれていないなら、打ち合わせの回数や進め方は会社によってかなり違うので、比較しておいて損はありません。気になる会社の資料を取り寄せて見比べてみてください(無料・しつこい営業はありません)。同じ希望を伝えても、出てくるプランと打ち合わせのテンポは会社ごとに驚くほど違います。
いえスタでは、実際に建てた家アカの間取り・工夫・後悔を実例で公開しています。間取りタイプから実例を探すと、自分の希望に近い家が見つかりやすいです。打ち合わせに「これに近いイメージです」と持っていける材料が、いちばん強い準備になります。
間取りそのものの落とし穴を先に知っておきたい人は、間取りで後悔しやすい7つのポイントと回避策も打ち合わせ前にどうぞ。
※本記事の数値は、いえスタが取材した家アカ100軒への聞き取りをもとに集計したものです(複数回答含む)。


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