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「ランドリールームは3畳あれば十分」——検索するとどのサイトにも同じ数字が出てきます。ただ、いえスタが取材してきた家アカの記事161本を全文で集計してみると、少し違う景色が見えました。「ランドリールーム」という名前の部屋を持っている家は、100軒あたり4軒。一方で浴室乾燥機は34軒です。
つまり実際に建てた人の多数派は、干すための部屋を新しく作るのではなく、洗面脱衣室とファミリークローゼットの並べ方で室内干しを解決しています。この記事では、必要な広さを畳数ではなく「竿の総延長」から逆算する方法と、専用室を作らずに同じ結果を出す3つの型を、実測データと実例で整理します。
ランドリールームは「部屋」で解決しなくていい|家アカ100軒のリアル
まず前提となるデータから。いえスタに掲載している家アカ記事161本を機械的に全文検索し、100軒あたりに換算した採用率です。
| 洗濯まわりで採用したもの | 100軒あたり |
|---|---|
| ランドリールーム・洗濯室(独立した部屋) | 4軒 |
| 浴室乾燥機 | 34軒 |
| ファミリークローゼット | 52軒 |
| 回遊できる家事動線 | 53軒 |
| ガス衣類乾燥機(乾太くん) | 2軒 |
ランドリールーム4軒に対して、浴室乾燥機は34軒。「干す場所を面積で確保する」より「乾かす手段を設備で確保する」ほうが圧倒的に多いというのが、実際に建てた人たちの選択でした。そして「しまう場所を近づける」ファミリークローゼットが52軒。洗濯の悩みは、干す場所単体ではなく洗う→干す→たたむ→しまうの並び順で解かれています。
「広い家だから作れた」わけではない
専用のランドリールームを持つ7軒の延床面積は、30坪・32.5坪・33坪・33坪・36.5坪・40坪・61.1坪。中央値は33坪で、全体の中央値34坪よりむしろ少し小さいくらいでした。
ここが大事なところで、専用室は「余った面積で作った部屋」ではありません。他のどこか——寝室や和室、廊下——を削って優先順位を上げた結果です。33坪の家で3畳を洗濯に振るというのは、それだけ強い意思決定だということ。どこを削ると後悔しやすいかは家の広さで後悔したのはどこか(家アカ100軒の坪数と満足度)にまとめています。

ランドリールームは何畳必要?畳数ではなく「竿の総延長」で決める
「2畳?3畳?」で悩むと、いつまでも答えが出ません。決め方はシンプルで、1日に干す量から必要な竿の長さを出し、その竿が収まる寸法を畳数に置き換えるだけです。
4人家族に必要な竿の総延長は約4.5〜5m
1日分の洗濯物を、乾く間隔を空けて掛けたときの実寸です。
- シャツ・トップス類(4人×3〜4点=12〜16点)/ハンガー間隔15cm → 約2.2m
- バスタオル4枚(二つ折りで1枚35cm) → 約1.4m
- 靴下・下着・ハンカチ/ピンチハンガー2台 → 約1.0m
合計で約4.6m。ここに「梅雨で2日分たまった日」「シーツを洗った日」を織り込むと、5mが安心ラインです。逆にハンガー間隔を5cmまで詰めれば3m台に収まりますが、それは乾かない干し方なので計算に入れません。部屋干しの失敗はほぼ全部、この「間隔」を無視した見積もりから始まります。
竿の長さを畳数に置き換えるとこうなる
竿の実用長さは、部屋の内寸から左右の金具の逃げ(各10cm程度)を引いた数字になります。また竿と竿の間隔は60cm必要で、これより詰めると洗濯物同士が触れて乾きません。幅1.82mの部屋なら竿は2本が上限、3本目は入らないと考えてください。
| 広さ(内寸の目安) | 竿1本の実用長さ | 竿2本の総延長 | 4人家族だと |
|---|---|---|---|
| 2畳(1.82×1.82m) | 約1.6m | 約3.2m | 1日分で埋まる |
| 2.5畳(1.82×2.27m) | 約2.0m | 約4.1m | ぎりぎり足りる |
| 3畳(1.82×2.73m) | 約2.5m | 約5.0m | ゆとりあり |
| 3.5畳(2.0×2.85m) | 約2.6m | 約5.3m | たたむ台も置ける |
ネット上で「3畳」という数字が定着しているのは、この計算の結果です。ただし、この3畳は独立した部屋である必要はまったくありません。洗面脱衣室を2畳から3.5畳に広げて竿を2本渡せば、同じ5mが手に入ります。
費用感も比べておきます。坪単価70〜90万円で換算すると、洗面脱衣室を1.5畳(約0.75坪)広げるのはおよそ50〜70万円。対して3畳の独立室を新設すると、床面積1.5坪に間仕切り壁とドアが加わっておよそ130〜160万円。倍以上の差になります。この差額を断熱や窓に回すという判断も十分ありです。

室内干しの間取りは3つの型に分かれる|自分に合うのはどれか
家アカ161軒を眺めていくと、洗濯まわりの解き方はきれいに3パターンに分かれます。予算と敷地、そして「干しっぱなしを許容できるか」で選び分けてください。
| 型 | 広さ | 追加費用の目安 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| A 専用室型 | 3畳〜 | 130〜160万円 | 共働きで洗濯量が多い/干しっぱなしにしたい |
| B 洗面脱衣拡張型 | 洗面脱衣室を3〜3.5畳に | 50〜70万円 | 面積も予算も限られる人(=多数派) |
| C 設備解決型 | 面積の追加なし | 10〜30万円 | 敷地が狭い/干す手間ごと減らしたい |
A 専用室型|回遊動線とセットにすると本領を発揮する
専用室を持つ7軒のうち6軒がファミリークローゼットを併設、4軒が回遊動線を組んでいました。単独で部屋を作るのではなく、動線の途中に埋め込むのが成功パターンです。
たとえば61.1坪・2つの玄関で回遊するお宅は、玄関→パントリー→トイレ→洗面室→ファミリークローゼット→独立ランドリールーム→キッチン→リビングと一周する間取り。洗濯機から一歩も戻らずに干して、しまって、キッチンに出られます。33坪でも成立していて、共働きで「家事が楽になるものはすべて採用する」と決めたお宅は、ランドリールーム・自動洗浄浴槽・深型食洗機を三点セットで入れていました。
注意点はひとつ。子どもが独立したあとに用途が残るかです。洗濯量は10年でピークを越えます。書斎やストックルームに転用できる位置・窓・コンセントで計画しておくと、後から効いてきます。
B 洗面脱衣拡張型|いちばん現実的で、いちばん渋滞しやすい
33坪・4LDKで室内干し中心の家事ラクを実現した半造作洗面+ランドリースペースのお宅のように、洗面脱衣室を少し広げて竿を渡す形です。費用対効果は最も高い一方で、朝の渋滞という固有の弱点があります。洗濯物が下がっている前で歯を磨き、子どもが着替える。これが毎朝続きます。
対策は2つ。ひとつは竿を洗濯機の真上に寄せて、洗面台の前に人が立つ幅を残すこと。もうひとつが洗面と脱衣を分離する方法です。161本中、洗面所と脱衣所を明確に分けたと書いていたのは2軒だけでしたが、そのうちのホテルライクなお宅は洗面・脱衣の分離に加えて乾太くん・スロップシンク・作業カウンターまでまとめており、室内干し前提なら検討する価値があります。
C 設備解決型|面積を1cmも増やさずに解く
100軒あたり34軒が採用していた浴室乾燥機がこれにあたります。ただしランニングコストは正直に見ておいてください。消費電力1.2kW前後、1回3〜4時間で100〜150円程度。毎日使えば月3,000〜4,500円です。衣類乾燥除湿機なら200W前後で6時間動かしても40円ほどなので、日常は除湿機、急ぎは浴室乾燥、という使い分けが現実的です。
ガス衣類乾燥機(乾太くん)は100軒あたり2軒とまだ少数派。ガス配管と排湿ダクトが必要で、後付けのハードルが高い設備です。入れるなら間取りを描いている段階で言い切る必要があります。設備の採用判断そのものはつけて後悔した設備・つけてよかった設備(家アカ100軒)もあわせてどうぞ。
ここまで読んで「うちはどの型だろう」と迷ったら、同じ坪数帯の実例を並べて見るのがいちばん早いです。気になる会社があれば資料を取り寄せて、洗濯まわりの標準プランを比べてみてください(無料・しつこい営業はありません)。→ 資料請求はこちら
ランドリールーム・室内干しで後悔しやすい5つのポイント
1. 換気を「窓」で計画してしまう
いちばん多い誤算がこれです。窓を大きく取れば乾く、と考えて計画すると、実際に困る梅雨と真冬に機能しません。外の湿度が80%を超えている日に窓を開けても、湿った空気が入ってくるだけです。
頼るべきは換気扇と除湿機。設計時は「窓の大きさ」ではなく「換気扇の風量」と「除湿機を置く床の余白(40cm角)」を確認してください。24時間換気の給気口が干し場の反対側にあるか(空気が部屋を横切るか)も見ておくと差が出ます。
2. 干している間、洗面台が使えない
B型を選んだ人がほぼ全員ぶつかる壁です。図面では気づけません。間取り図に、洗濯物が下がった状態の四角(幅5m分の竿の下=奥行60cm)を鉛筆で塗ってみてください。その四角と洗面台の前に立つ位置が重なっていたら、朝は必ず渋滞します。
3. 干す場所はあるのに、たたむ場所がない
取り込んだ洗濯物を結局ソファやダイニングテーブルに積む——これは干し場ではなく作業面の設計ミスです。必要なのは奥行45cm×幅90cmのカウンター。洗濯機の上に棚板を渡すだけでも成立します。
そのままハンガーごと収納に移せるのがファミリークローゼットで、100軒中52軒が採用していた理由がここにあります。収納の広さと配置の考え方は後悔しない収納計画|パントリー・WIC・シューズクロークの広さと配置で詳しく解説しています。
4. 洗濯機と干し場の階が違う
161本のうち136本が2階建てでした。1階で洗って2階のバルコニーに干す計画は、濡れた洗濯物(4人分で約6kg)を毎日階段で運ぶという意味です。1年で約2,190kg。洗う・干す・しまうは同一フロアで完結させるのが鉄則で、これを外すと他をどれだけ工夫しても取り戻せません。動線そのものの考え方は失敗しない生活動線の間取り、実際の間取り図は家事ラク動線の家 実例10選が参考になります。
5. 竿の下にコンセントがない
除湿機、サーキュレーター、アイロン。洗濯まわりは意外と電気を使います。洗濯機用の1口だけで承認してしまうと、後から延長コードが床を這うことになります。干し場側の壁に、床上30cmで2口、カウンター上に100cmで2口。これを図面に書き込んでおいてください。

打ち合わせ前に決めておく4つの数字
設計士に「ランドリールームが欲しいです」と伝えるだけでは、返ってくる図面は運任せになります。次の4つを数字で渡すと、初回の提案から精度が変わります。
- 竿の総延長/2人なら3m、4人なら4.5〜5m、5人以上なら6m
- 竿の下の通路幅/60cm。ここを削ると洗濯物をよけて歩くことになります
- たたむカウンター/奥行45cm×幅90cm。棚板でも可
- 竿の高さと間隔/床から1.9〜2.0m、竿と竿は60cm離す
竿の高さ1.9〜2.0mというのは、バスタオル(長さ約1.2m)を掛けたとき裾が床から70〜80cmに来る高さです。その下に洗濯機や収納が置けるかどうかも、同時に確認しておくと無駄がありません。
次にやること
まずは自宅の今の洗濯物を1日分、竿に掛けてメジャーで実際に測ってみてください。想像より長いはずです。その数字さえ持っていれば、2畳で足りるのか3.5畳が要るのかは自動的に決まります。
次に、同じ坪数帯で洗濯動線を工夫した家を眺めて、自分の型(A・B・C)を決める。実例は間取りタイプで探すから絞り込めます。
型が決まったら、その型を標準で持っている会社を探す番です。洗面脱衣室の標準サイズも、ランドリールームの提案力も、会社によってかなり差があります。資料請求(無料・しつこい営業なし)で数社ぶんの間取り集を並べて比べると、自分の家の答えが早く見つかります。


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