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延床29.7坪に、吹き抜け、回遊できるキッチン、和室ダイニング、ワークスペース。@222111_gsm さんの家がこれだけ詰め込めているのは、間取りをご自身で考えたからです。そして住み始めてから、和室だけをジャパンディテイストへ模様替えされています(ほかはナチュラルモダンのまま)。器を作り込み、中身は部屋ごとに変えていける家です。
注文住宅では、間取りはハウスメーカーの設計士が引くのが一般的です。施主は要望を伝え、上がってきた図面に対して意見を返す。この進め方が悪いわけではありませんが、「要望を伝える」と「自分で描く」の間には、想像以上に大きな差があります。
この家は、間取りを施主自身が考えています。29.7坪という決して広くない延床に、吹き抜け・回遊動線・和室ダイニング・ワークスペースを収めるという、条件としてはかなり欲張った内容です。これが成立しているのは、優先順位を一番よく知っている人が図面を引いたからだと思います。
そしてもうひとつ。この家は入居後、和室だけをジャパンディテイストへ模様替えしています。基本のインテリアはナチュラルモダンのまま。間取りは変えられないが、テイストは部屋単位で変えられる。その前提で作られた器だからこそ、一室だけの模様替えが成立している。いえスタ編集部はこの家を「間取りを作り込み、内装に余白を残した家」と読みました。
施主のこだわりポイント
吹抜けとワークスペースのあるリビングと、回遊できるキッチン、和室ダイニングのあるおうちです🪴
家事楽動線にこだわった水まわりもお気に入り☺️
※基本のインテリアはナチュラルモダンのまま、和室のみジャパンディテイストに模様替えされています(2026年8月時点)。
— @222111_gsm さんの投稿より、編集部が引用
編集部メモ:この家を一言で言うと
「間取りは自分で決め、インテリアは変えていく家」。
家づくりでは、変えられるものと変えられないものがはっきり分かれます。間取り・構造・吹き抜けの有無は、建てたあとに変えるのが実質不可能。逆に、家具・照明・カーテン・小物は、いつでも変えられます。
この家の進め方は、その区別に忠実です。変えられない部分(間取り)は自分で徹底的に考え、変えられる部分(インテリア)は住みながら育てる。実際、入居後に和室だけをジャパンディテイストへ模様替えされています。
29.7坪という面積でこれだけの要素が入っているのは、「何を諦めるか」を自分で判断できたからでしょう。設計士に丸ごと任せると、施主の頭の中の優先順位までは伝わりません。図面を自分で引くと、削る場所が具体的に見えます。この家の密度は、その作業の結果です。
編集部が注目した3つのポイント
1. 間取りを施主自身が考えるという選択
ハウスメーカーの設計士は間取りのプロですが、その家族が何を優先するかを知っているのは施主のほうです。「収納が欲しい」「明るくしたい」という言葉は、設計士の中で標準的な解に変換されます。それが悪いわけではありませんが、要望の細かなニュアンスは削られます。
自分で図面を引くと、この変換が起きません。29.7坪に吹き抜けと和室ダイニングと回遊動線を同時に入れるという判断は、「何を削ってでもこれが欲しい」が自分の中で明確でないと下せないものです。
ただし、施主が引いた間取りにも弱点があります。構造、法規、コスト、そして生活動線の細かな検証は専門知識が要ります。壁が抜けない、窓が取れない、配管が通らない、収納の扉が開かない——図面上は成立していても、実際には作れないことがあります。
おすすめの進め方は、「施主が叩き台を描き、設計士が実現可能性を検証する」という分担です。この家が一条工務店という規格化された商品で実現しているのは、その意味でも合理的です。規格の枠を理解したうえで自分で描けば、実現可能性の高い図面になります。
2. 和室ダイニングという、部屋を兼ねさせる発想
29.7坪で3LDKなら、和室を「客間」として1室確保する余裕はありません。この家が和室をダイニングとして使っているのは、1つの場所に2つの役割を持たせるという判断です。
和室は、日常使いにすると価値が跳ね上がります。客間として作った和室は年に数回しか使われず、多くの家で物置化します。ダイニングとして毎日使えば、和室は「使われない部屋」ではなく「いちばん長くいる場所」になります。
採用時のポイントは床の段差をどうするかです。小上がりにすると腰掛けられて収納も取れますが、ダイニングテーブルとの高さ関係が難しくなります。フラットにすればLDKと連続して使え、掃除も楽です。
もう一点、畳の種類を選んでください。ダイニングとして使うなら、飲食物をこぼす前提になります。和紙畳や樹脂畳は水や汚れに強く、色褪せも少ない。い草の香りを取るか、メンテナンス性を取るか——毎日使う場所だからこそ、ここは実用側で選ぶ価値があります。
3. 一室だけテイストを変えられるという強み
この家は入居後、和室だけをジャパンディテイストへ模様替えしています。ほかの部屋はナチュラルモダンのまま。家全体を統一するのではなく、一室だけ別のテイストにするという使い方です。
ジャパンディは、日本の「和」と北欧の「Scandi」を組み合わせた言葉で、抑えた色・自然素材・余白を特徴とします。和室との相性は非常に良く、畳のある空間をそのまま活かしながら、現代的な見え方に寄せられる方向です。
一室だけテイストを変えるのは、実は家全体を変えるより難易度が高い部分があります。となりの空間とつながって見えるからです。この家の和室はダイニングを兼ねているので、LDKと連続しています。それでも成立しているのは、ベースがナチュラルモダンという主張の弱いテイストで、ジャパンディと色の系統が近いからでしょう。白・生成り・木・抑えたグレー。共通項が多い組み合わせなので、隣り合っても喧嘩しません。
再現するときのコツは3つあります。①ベースのテイストは主張の弱いものにしておく ②変える部屋は、床材や建具で区切りがある場所を選ぶ ③色の系統を大きく外さない。この3つを守れば、一室だけ違う空気にしても浮きません。逆に、ベースが強いテイスト(インダストリアルやラグジュアリー)だと、隣の一室だけ変えるのは難しくなります。
そして前提として、模様替えができる器であること。造作家具で作り込んだ部屋、強いアクセントカラーで固めた部屋は、あとからテイストを変えようとしても土台が邪魔をします。壁と床を背景に徹する色にしておく、造作は配管や下地が絡む場所だけに絞る、照明の位置と数に余裕を持たせる。とくにダクトレールを1本入れておくだけで、照明器具は自由に交換できます。コンセントも多めに、高さを分けて配置しておくと、家具のレイアウト変更に対応できます。
この家から学べる、変えられるもの/変えられないものの3つの判断軸
判断軸1:変えられないものに、時間と労力を集中する
間取り、構造、吹き抜け、窓の位置、断熱性能。これらは建てたあとに実質変えられません。逆に、家具・照明・カーテン・壁紙は変えられます。
打ち合わせの時間は有限です。変えられないものに8割、変えられるものに2割——この配分にすると、後悔の総量が減ります。この家が間取りを自分で考え、インテリアは住みながら育てているのは、その配分そのものです。
判断軸2:兼用できる場所を探すと、坪数が要らなくなる
和室をダイニングにする、階段下を収納にする、玄関土間を趣味の場所にする。1つの場所に2つの役割を持たせられれば、その分の坪数を買わずに済みます。
29.7坪でこれだけの要素が入っているのは、この兼用が効いているからでしょう。検討するときは、「この部屋は1日に何時間使うか」を書き出してみてください。使用時間の短い部屋ほど、兼用の候補になります。
判断軸3:模様替えの余地を、着工前に仕込んでおく
ダクトレール、多めのコンセント、下地の入った壁、背景に徹した壁と床の色。いずれも数千円〜数万円で、着工前にしか入れられません。
好みは変わります。10年後の自分が今と同じテイストを好んでいる保証はありません。「変わってもいいように作っておく」ほうが、「変わらないものを選ぶ」より現実的な場面は多いです。この家の模様替えが成立しているのは、その余地があったからだと思います。
延床29.7坪・土地40坪という条件を読む
延床29.7坪の2階建てに、土地40坪。関西の住宅地としては標準的なサイズです。この条件で吹き抜けと和室を両立させている点を見ていきます。
29.7坪3LDKは、廊下を削って初めて余白が出る
3LDKの標準構成に必要なのは28〜30坪。29.7坪はぎりぎりです。ここに吹き抜けを入れると2階の床が減り、和室を入れると1階が圧迫されます。
成立の鍵は廊下です。一般的な家では廊下と階段で延床の12〜18%が消えます。回遊動線を採って専用の廊下を持たない構成にすれば、その分が居室と和室に回ります。この家が回遊動線を持っているのは、デザインではなく面積の問題として必然だったはずです。
土地40坪なら、隣家との距離は2〜3mを想定する
建ぺい率60%なら建築面積は24坪まで。2階建てで延床29.7坪なら1階は15〜17坪前後で、周囲に残る空地は限られます。隣家との距離は2〜3mというケースが多くなります。
この距離だと1階の窓は視線が気になり、カーテンを開けにくくなります。吹き抜けから上部採光を取るという構成は、この土地条件に対する回答として理にかなっています。ウッドデッキ・テラスを持っているのも、限られた屋外を使い切る工夫でしょう。
和室を兼用にすると、1室ぶんの坪数が浮く
客間として和室を別に取ると4.5〜6帖、およそ2.5〜3.3坪。ダイニングと兼ねれば、その坪数がまるごと不要になります。29.7坪という延床でこれだけの要素が入っている理由の一つがここです。
兼用にする場合、来客時の使い方は事前に想定しておいてください。ダイニングとして使っている場所に泊まってもらうのは現実的ではありません。宿泊を伴う来客が多い家では、別の解が必要になります。
4人家族が、この家の設計を再現するには
4人で29.7坪3LDK。人数に対して余裕のある配分ではないので、使い方の設計が効いてきます。
和室ダイニングは、子どもが小さいうちに効く
床に座る生活は、小さな子どもがいる家庭と相性が良い。椅子から落ちる心配がなく、そのまま寝転がれて、遊び場にもなります。ダイニングと兼用にしておけば、食事のたびに移動する必要もありません。
子どもが大きくなったら、テーブルと椅子に切り替えることもできます。フラットな和室にしておくと、この転換がしやすい。小上がりにすると段差が固定されるので、長期の使い方を考えて決めてください。
吹き抜けの音は、4人家族では配置で解く
吹き抜けは光と一緒に音も通します。1階のテレビや話し声が2階に届きます。寝室や子ども部屋を吹き抜けに面させない配置にするだけで、大半は避けられます。
プランを見るときは「吹き抜けに面する部屋はどれか」を確認してください。床の遮音仕様を上げるより、配置で解くほうが確実で安価です。
収納2種類は、4人家族には少なめ
この家の収納はウォークインクローゼットとリビング収納の2種類。4人家族としては多いとは言えません。29.7坪で吹き抜けと和室を取った以上、収納にしわ寄せが行くのは避けられない構造です。
同じ構成を目指すなら、階段下収納とシューズクロークを追加できないかを検討してください。どちらも独立した部屋を必要とせず、動線の一部として組み込めます。あるいは、入居前に持ち物を減らす前提で計画するかのどちらかです。
一条工務店で建てるときに押さえたいこと
一条工務店は断熱・気密性能と、設備の標準化を強みとする住宅会社です。間取りを自分で考えたい場合、その規格の枠を理解しておくことが前提になります。確認したい点を挙げます。
自分で描いた間取りを、どこまで反映できるか確認する
一条工務店は構造やモジュール(寸法の刻み)が決まっているため、自由設計とはいえ制約があります。壁の位置、窓のサイズ、天井高。自分で図面を描くなら、最初にモジュールと守るべきルールを教えてもらうのが近道です。
ルールを知ったうえで描けば、修正の往復が減ります。逆に知らずに描くと、「その位置には壁が必要です」という指摘で何度も描き直すことになります。
吹き抜けと和室を入れた場合の面積の使われ方を数字で見る
29.7坪で吹き抜けと和室ダイニングを両立させるには、廊下の圧縮が前提になります。「廊下として何坪使っているか」を図面から拾って確認してください。この数字が小さいほど、居室に回っています。
あわせて、吹き抜けの畳数と2階の各部屋の広さを一緒に見ること。吹き抜けを大きくするほど2階が狭くなるので、そのトレードオフを納得したうえで決めてください。
採用できる建材・設備の範囲を初期に確認する
一条工務店は標準仕様の水準が高い一方、採用できる建材・設備が自社製品中心という特徴があります。造作や他社製の建材を入れたい場合、どこまで可能かを早い段階で確認しておくと、後半での落胆を避けられます。
とくにインテリアを後から変えていく前提なら、ダクトレールの設置可否、コンセントの追加、壁下地の位置指定ができるかを聞いておいてください。
- 自分で間取りを描く場合のモジュール・構造上のルール
- 廊下として使っている坪数
- 吹き抜けの畳数と、2階の各部屋の広さのトレードオフ
- 和室ダイニングの床仕上げ(畳の種類)と段差の有無
- 吹き抜けに面する部屋と、音への配慮
- ダクトレール・コンセント追加・壁下地の位置指定の可否
- UA値・C値の実測値と、吹き抜けを含む冷暖房計画
- 太陽光の想定発電量と、蓄電池の容量・停電時に使える回路
間取りを自分で考える場合、「できません」で終わらせず「なぜできないのか、代わりにどうするか」を説明してくれる担当者かどうかが重要になります。最初の数回の打ち合わせで見極めてください。
関西エリアで29坪台の家を検討する人へ|編集部メモ
関西の住宅地では、40坪前後の土地に30坪弱の2階建て、という組み合わせは非常に一般的です。問題は広さより、隣家との距離。2〜3mというケースが多く、1階の窓からは十分な光が入りません。この家が吹き抜けを持っているのは、その条件への回答と読めます。
土地を検討する段階で確認したいのは、南側の建物の高さと、前面道路の幅です。前者は吹き抜けから入る光の量を、後者は建てられる面積そのものを左右します。加えて、関西は夏の暑さが厳しいため、吹き抜けから光を取り入れるなら日射遮蔽(庇・Low-Eガラスの種類・外付けブラインド)もセットで検討してください。冬に光が欲しい家ほど、夏の対策が必要になります。和室ダイニングは、夏に床に座って過ごすには快適な選択でもあります。
よくある質問
Q. 間取りを自分で考えるのは現実的ですか?
可能ですが、「施主が叩き台を描き、設計士が実現可能性を検証する」という分担が現実的です。構造・法規・コスト・配管の検証には専門知識が要ります。最初にハウスメーカーのモジュール(寸法の刻み)と構造上のルールを教えてもらってから描くと、修正の往復が大幅に減ります。
Q. 和室をダイニングとして使うのはどうですか?
使う頻度が高くなるという点で、客間として作るより価値があります。年に数回しか使わない和室は物置になりがちですが、毎日使えばいちばん長くいる場所になります。畳は和紙畳や樹脂畳にすると、飲食物の汚れや色褪せに強くなります。床をフラットにするか小上がりにするかは、将来テーブルと椅子に切り替える可能性を含めて決めてください。
Q. インテリアのテイストは後から変えられますか?
変えられます。ただし変えやすい器かどうかで難易度が大きく違います。壁と床が背景に徹した色である、造作家具が少ない、照明の交換余地がある(ダクトレールなど)。この3つが揃っていれば、家具とファブリックの入れ替えでテイストは変わります。逆に、造作で作り込んだ家や強いアクセントカラーの家は、土台が邪魔をします。
Q. 29.7坪で吹き抜けを作ると狭くなりませんか?
吹き抜けの面積だけ2階の床が減るので、29.7坪では3LDKが実質的な上限になります。そのうえで成立させる鍵は廊下の圧縮です。回遊動線にして専用の廊下を持たない構成にすれば、その分が居室に回ります。必要な部屋数を先に確定してから、吹き抜けの可否を決めてください。
Q. 同じ一条工務店の事例をもっと見るには?
いえスタでは施工会社別に事例を絞り込めます。一条工務店の家アカ一覧から、間取り・坪数・テイスト別に比較できます。同じ会社でも施主によって解き方が大きく違うので、複数見比べると自分の優先順位が整理しやすくなります。
同じ条件の家アカをもっと見る
編集後記
この家でいちばん印象に残るのは、間取りを施主自身が考えたという一点です。
29.7坪という面積に、吹き抜け・回遊動線・和室ダイニング・ワークスペースを収める。条件だけ聞けば「全部は無理です」と言われそうな内容です。それが入っているのは、削る判断を自分で下せたからだと思います。設計士に要望を伝える形だと、優先順位の細かなところまでは伝わりません。何を守り、何を諦めるか——その判断は、結局その家に住む人にしかできない。
そして、入居後に和室だけをジャパンディへ模様替えされています。間取りは一度きり、インテリアは何度でも。しかも部屋単位で。この2つを区別して、前者に労力を集中し、後者は住みながら育てる。家づくりの進め方として、とても健全な形だと思います。
家は完成した時点が終わりではありません。変えられる余白を残しておくことも、設計のうち——この家はそれを実際に証明しています。
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- 2階建て
- 3LDK
- 29.7坪
- 40坪
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- 一条工務店
- 4人家族
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吹抜けとワークスペースのあるリビングと、回遊できるキッチン、和室ダイニングのあるおうちです🪴
家事楽動線にこだわった水まわりもお気に入り☺️ -
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