兵庫県で2階建て3LDKを建てた、@yuui__home さんの家。土地30坪・延床30坪・4人家族という、敷地条件としてはコンパクトな部類のなかに、中庭・ウッドデッキ・家事ラク動線・ファミリークローゼットを含む5箇所の収納まで仕込み、しかもZEH対応で省エネ性能まで取りに行っているのが特徴です。「30坪の土地に2階建てで延床30坪、なおかつ中庭付き」というのは、間取り設計のなかでも難度が高い部類で、土地が狭いほど中庭は「贅沢」ではなく「明るさと風を確保するための設計上の答え」になります。素材感は素直で、ナチュラル・北欧ナチュラルの系統。優先順位がはっきりした家だと感じました。
この家の基本情報
| 家タイプ | 2階建て |
|---|---|
| 間取り | 3LDK |
| 延床面積 | 30坪 |
| 土地面積 | 30坪 |
| テイスト | シンプル / ミニマル / ナチュラル / ナチュラルモダン / 北欧ナチュラル / 和モダン |
| 地域 | 兵庫県 |
| 家族構成 | 4人家族 |
| 主な設備 | 食洗機(ビルトイン) / 浴室乾燥機 / タンクレストイレ / パントリー |
| 収納の工夫 | ウォークインクローゼット / シューズクローク / ファミリークローゼット / 階段下収納 / リビング収納 |
| 暮らしのこだわり | 家事ラク動線 / 中庭のある家 / 子ども部屋 / ウッドデッキ・テラス |
| 省エネ仕様 | ZEH(ゼッチ)対応 |
編集部メモ:この家を一言で言うと
「30坪の敷地で、明るさ・収納・家事動線・省エネを一度に取りに行った家」。この家のいちばんの個性は、限られた敷地に中庭をきちんと残した判断です。30坪の土地に建てる2階建てで「LDK・水回り・5箇所の収納・中庭・ウッドデッキ」を成立させるには、間取りを単純なロの字や田の字で組まず、1階を中庭中心のL字またはコの字で構成して、水回りと収納を動線上に配置するのが定石。ZEH仕様まで取りに行っているのも、設計の優先順位がはっきりしている証拠だと感じました。
編集部が注目した3つのポイント(この家固有)
1. 「30坪の土地に中庭」という、密集地ほど効くデザイン判断
30坪の土地で2階建てを建てるとき、建ぺい率が60%なら建築面積の上限は18坪、容積率200%なら延床上限は60坪。延床30坪なら1階18坪+2階12坪、または1階16坪+2階14坪あたりが現実的なライン。そのなかで中庭を成立させるには、1階の床面積を1.5〜2坪ほど削り、その代わり吹き抜け・高窓・中庭側の大開口で明るさを取り戻す設計が必要になります。
密集地で中庭をあきらめずに残したのは、土地が狭いほど中庭が「贅沢品」ではなく「採光と風通しを確保するための装置」になるという判断が背景にある、と編集部としては読み取りました。隣家との距離が近いと、外周窓は北面・南面のどちらか一方しか機能しないことが多く、結果的にLDKの奥が暗くなりがち。中庭を作ると四方から光を呼び込めるので、延床は減っても明るさは増える、という構図になります。家事ラク動線が両立しているのは、回遊動線の中心に中庭を据えて、視線が抜ける設計だからこそ。30坪の土地ほど中庭の費用対効果が高い、というのが個人的な印象です。
2. 4人家族×30坪を支える「5箇所収納」の配分設計
@yuui__home さんの家は、ウォークインクローゼット・シューズクローク・ファミリークローゼット・階段下収納・リビング収納の5つを仕込んでいます。延床30坪に対して収納は通常2.5〜3坪(収納率8〜10%)が標準ですが、5箇所に分散させるとなると、1箇所あたり0.5〜0.7坪ぶんのスペース確保が必要。4人家族の暮らしは、共用品(コート・かばん・掃除機・季節雑貨)と個人別アイテム(衣類・教科書・趣味用品)を別管理にしないと回らないので、ファミクロ+WICの二段構えは合理的な選択です。
シューズクロークと階段下収納は「動線上にある収納」、リビング収納は「使う場所=しまう場所」として機能する位置にあるのが理想形。間取り図でこの配置がしっくりきていれば、4人家族の生活感を出さずに暮らせる家になります。30坪で5箇所収納を仕込めたのは、2階建てだからこそ階段下スペースを収納に転用できたのが効いていて、平屋では真似しづらい強みだと読み取れます。
3. ZEHを「中庭付き」で取りに行ったことの設計的な意味
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)は、断熱性能・高効率設備・太陽光発電を組み合わせて、年間の一次エネルギー消費量を実質ゼロ以下にする住宅。中庭付きの家は、外気に触れる外壁面積が増えるため、矩形の家よりも断熱で不利になりやすい構造です。それでもZEH仕様を取れているということは、断熱材を高グレード(高性能GW16K・20K相当やネオマフォーム相当)で組み、サッシは樹脂枠+Low-Eトリプルガラス、太陽光パネルは4kW以上を屋根に載せる、という基本セットを徹底したから、と推察します。
兵庫県は省エネ地域区分6(瀬戸内側)で、ZEH基準のUA値は0.6W/m²K以下。中庭はデザインの選択ですが、ZEHを取るなら「中庭を作っても断熱・気密で不利にならない設計か」を必ず詰める必要があり、ハウスメーカー選びの段階で「ZEH仕様で中庭付きの実例があるか」を確認するのが近道です。
この家から学べる、30坪×中庭付き2階建てを建てる3つの判断軸
判断軸1:中庭を「採光装置」として機能させる3条件
中庭は単に作るだけだと、夏に熱気がこもる・冬は冷気が落ちる装置になりがち。きちんと機能させるには、(a) 中庭側に深い庇を設ける、(b) 主開口は南か東向きで、北面はFIX窓やすりガラスで視線を切る、(c) 中庭の床仕上げは吸熱しにくい素材(タイル・木デッキ・砕石)にする、の3つを最低限押さえたいところ。図面で中庭が描かれていても、これらが盛り込まれていなければ「お洒落だけど住みづらい中庭」になりかねません。打ち合わせ時には「中庭の夏の日射対策」「冬の冷気対策」を必ず質問するのがおすすめです。
判断軸2:30坪×4人家族の「将来の収納増加」を見越した配分
ファミリークローゼットだけでは、子どもの成長にともなって衣類量が増えると破綻しやすい。WICを別途仕込んでおくと「子ども部屋クローゼット+ファミクロ+WIC」で衣類の段階移行が可能になります。図面で確認すべきは、ファミリークローゼットが「洗濯機〜物干し場〜たたみ場〜しまう場」の動線上にあるか。「動線が交差する」「歩数が5歩以上」だと、ファミクロの効果は半減します。打ち合わせで「洗濯動線の歩数」を指差しで数えてもらうと、現実が見えやすいです。
判断軸3:ZEH仕様で必ず確認したい3項目
(1) UA値(外皮平均熱貫流率):兵庫県のZEH基準はUA値0.6W/m²K以下。可能ならUA値0.46(HEAT20 G2グレード)まで上げると、冷暖房費が体感で変わります。
(2) サッシ仕様:樹脂枠+Low-Eトリプルガラスが基準。アルミ複合や複層ガラスでは寒暖差で結露しやすく、中庭側のサッシは特に冷橋になりやすいので要確認。
(3) 太陽光容量と蓄電池:4〜5kW搭載でZEH基準達成、蓄電池は7kWh以上で停電時の生活も維持可。
標準仕様でこの3項目がどこまでカバーされるか、追加費用がいくらかは、見積もり段階で必ず詰めるところです。
兵庫で2階建て30坪×中庭の家を検討する人へ|編集部メモ
兵庫県は南北で気候が大きく異なり、瀬戸内海側(神戸・明石・姫路)は温暖で日照時間が長く、中庭の通風・採光メリットが活きやすい地域。一方、内陸の篠山・但馬エリアは冬の冷え込みと積雪があるため、中庭の屋根掛けや落雪対策まで含めて設計する必要があります。神戸市・明石市・西宮市など阪神間は地価が坪80〜150万円とやや高めで、土地30坪は珍しくない条件です。
ZEH補助は国の「ZEH補助金」(戸建て55万円〜)に加え、神戸市の住宅省エネ等補助、尼崎市・西宮市の上乗せ補助など、自治体ごとの制度があるので、見積もり時に複数社で比較したい項目です。同じ「ZEH仕様」でも、UA値・サッシ・太陽光容量・蓄電池の組み合わせで、トータル金額が数十万〜100万円単位で変わります。
よくある質問
Q. 30坪の土地に2階建て・延床30坪は実現できますか?建ぺい率・容積率の目安は?
A. 多くの第一種・第二種低層住居専用地域では建ぺい率50〜60%、容積率100〜200%が一般的です。建ぺい率60%なら建築面積18坪まで、容積率200%なら延床60坪まで建てられる計算で、延床30坪は十分実現可能。ただし高度地区規制・絶対高さ制限・防火地域指定が絡むと条件が変わるため、土地購入前に「狙う延床面積が建てられるか」を必ず工務店または設計事務所に確認するのがおすすめです。中庭を作る場合は、中庭部分の床面積算入の取り扱いも自治体によって異なります。
Q. 中庭はメンテナンスが大変ですか?
A. 中庭は外周面積が増えるぶん、外壁・サッシのメンテ周期は通常の家と変わらないものの、中庭側の壁・床の汚れは年1回以上の高圧洗浄や拭き上げが必要になります。ウッドデッキを設置している場合、樹種にもよりますが3〜5年に一度の塗装が目安(イペ・ウリンなどのハードウッドは無塗装でも10年以上もつケースあり)。雨水排水の設計(ドレン位置・勾配)が甘いと、長雨でスラブに水が溜まることもあるので、引き渡し時に必ず排水テストを実施してもらってください。
Q. 4人家族で延床30坪は窮屈ではありませんか?
A. 「子どもの年齢」と「収納設計」で印象が変わります。乳幼児期は問題ないことが多いですが、小学校高学年〜中高生になると、個室の独立性と物量増加が課題に。延床30坪・3LDKだと個室は4.5〜6帖×2部屋になりやすいので、机・ベッド・収納を全部置くなら工夫が必要。@yuui__home さんの家のように、ファミリークローゼット+WIC+階段下収納+リビング収納の5箇所に収納を分散すれば、各個室の収納を最小化できるので、4人家族でも生活しやすい規模感です。
Q. ZEHにすると、初期費用はどれくらい上がりますか?
A. 一般的な仕様からZEH仕様に上げる場合、追加費用の目安は150〜300万円ほど(断熱グレードアップ+サッシ+太陽光+HEMS)。ただし国の補助金55万円〜、自治体の上乗せ補助、太陽光発電の自家消費+売電による光熱費削減(年間10〜15万円程度)を加味すると、10〜15年で回収できる計算になります。中庭付きで断熱性能を確保するなら、初期投資は標準仕様より少し高めに見積もっておくのが現実的です。
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編集後記
@yuui__home さんの家は、写真の印象だけ見ると「ナチュラルで明るい、素直な雰囲気の家」ですが、図面と仕様を読み解くと、30坪・4人家族・ZEH・中庭付きという複数の条件を、優先順位を整理して同時に成立させた家であることが分かります。土地が広くないからこそ中庭で明るさを取りに行く、収納を5箇所に分散させて家族の動線を交差させない、ZEHでランニングコストを抑える──このひとつひとつが「妥協ではなく選択」になっているのが、編集部としてはこの家のおもしろいところだと感じました。
他のハウスメーカーとも比較したい方へ
30坪の土地で2階建て+中庭+ZEHを成立させるには、設計力のある工務店・ハウスメーカーに当たれるかどうかで仕上がりが大きく変わります。兵庫県は阪神間の都市型から但馬の寒冷地まで気候差が大きいので、地域実績のある会社を含めて同じ条件で複数社の間取りプランを比較するのがおすすめ。延床・LDK帖数・断熱等級・中庭の有無を入力するだけで、希望に合う間取り案が複数届きます。


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