
共働きでも家事が1階で完結する間取りと、外壁に囲まれた完全プライベートな中庭。地元の工務店が手がけた福岡県の延床32坪・3LDKを、@chipi0303_home さんの投稿をもとに見ていきます。
共働き世帯が家を建てるとき、間取りの検討で最初に問題になるのが家事の移動距離です。洗う、干す、しまうという一連の流れが階をまたぐと、そのたびに階段の上り下りが発生します。1日1回なら気になりませんが、毎日続くと差が出ます。
今回紹介する @chipi0303_home さんの家は、延床32坪・土地50坪の2階建て3LDKです。投稿によると、共働きでも暮らしやすいように家事が1階で完結する間取りにしたと書かれています。あわせて、外壁に囲まれた中庭と、将来の暮らし方に合わせて変えられる間取りという2つの工夫が挙げられています。
今の暮らしやすさと、10年後20年後の使い方。その両方をどう1つの間取りに入れるかは、多くの人が直面する論点です。この家の構成を手がかりに整理していきます。
施主のこだわりポイント
淡色×木目をベースに、家族みんなが心地よく過ごせるお家です𓂃🤍
共働きでも暮らしやすいよう、家事が1階で完結する間取りにしました。
子どもが家の中でも外でも、のびのび過ごせる空間づくりも大切にしています。
外壁に囲まれた完全プライベートな中庭では、周囲を気にせず家族時間を楽しめます🌿
さらに、子どもの成長や老後の暮らしに合わせて、住み方を可変的に変えられる間取りに。
今だけでなく、これからの家族の変化にも寄り添えるよう工夫しました。
家族と一緒に、暮らし方も変化していけるお家です🏠🤍
— @chipi0303_home さんの投稿より、編集部が引用
編集部メモ:この家を一言で言うと
この家を一言でいうと、今の家事のしやすさと、将来の変えやすさを同じ間取りに入れた家です。
投稿には「共働きでも暮らしやすいよう、家事が1階で完結する間取りにしました」と書かれています。その一方で「子どもの成長や老後の暮らしに合わせて、住み方を可変的に変えられる間取りに」ともあります。前者は今の効率、後者は将来の余白です。方向が違うこの2つを同時に扱っている点が、この家の特徴です。
仕上げは淡色と木目。北欧ナチュラルというテイストで、色数を抑えながら木の質感を残す構成です。外壁に囲まれた中庭は、視線を気にせず外を使うための仕掛けとして機能します。
編集部が注目した3つのポイント
家事が1階で完結する
投稿では、間取りについて「共働きでも暮らしやすいよう、家事が1階で完結する間取りにしました」と書かれています。申告されている設備には食洗機(ビルトイン)とタッチレス水栓、収納にはファミリークローゼットが含まれます。
一般に、家事を1階で完結させる場合、キッチン、洗面脱衣、洗濯、物干し、そして衣類収納を同じ階にまとめる必要があります。とくに効くのが、洗う場所と干す場所としまう場所の距離です。ファミリークローゼットを水回りの近くに置けば、洗濯物を各部屋へ運ぶ工程がなくなります。共働きで在宅時間が限られる場合、この1工程の有無が毎日の負担に直結します。
外壁に囲まれた中庭
もうひとつの特徴が中庭です。投稿には「外壁に囲まれた完全プライベートな中庭では、周囲を気にせず家族時間を楽しめます」とあります。あわせてタイルデッキも申告されています。
中庭は、周囲から視線を切りながら屋外を使うための手法です。庭を敷地の外周に置く場合、道路や隣家からの視線を避けるにはフェンスや植栽が必要になり、それでも完全には遮れません。外壁で囲えば視線は入らず、カーテンを開けたまま過ごせます。土地50坪という条件は、建物の外側にも中庭にもある程度の面積を配分できる広さです。タイルデッキを敷けば屋内から続けて使いやすくなります。
可変的な間取りという考え方
投稿には「子どもの成長や老後の暮らしに合わせて、住み方を可変的に変えられる間取りに」と書かれています。具体的な仕組みは投稿に記載がないため、ここでは一般的な手法を挙げます。
可変性を持たせる方法としてよく使われるのは、子ども部屋を将来2つに分けられる大きさで1室としてつくる、間仕切りを後から入れられるよう建具枠や照明・コンセントを先に用意しておく、1階に個室として使える部屋を確保しておくといったものです。老後を見据える場合は、1階だけで生活が完結する構成にしておくと選択肢が残ります。この家は家事が1階で完結する計画のため、その延長で考えやすい構成です。
淡色×木目の北欧ナチュラルを組み立てる3つの視点
色数を絞り、木の色味を1系統にそろえる
北欧ナチュラルは、白やアイボリーなどの淡色に木の質感を合わせるテイストです。木部の色味が複数混ざると、同じ淡色の中でも落ち着かなくなります。床、建具、造作家具で使う木を同系統でそろえるか、あえて明確に分けるかを先に決めておくと判断が早くなります。
淡色は「白の種類」を決めておく
白は、純白、オフホワイト、アイボリー、グレージュと幅があります。壁と天井と建具で微妙に違う白を選ぶと、意図しない色ムラに見えることがあります。サンプルは並べて比較し、照明の色温度を合わせた状態で確認すると差が分かりやすくなります。
中庭に面する開口で光の入り方が決まる
外壁で囲まれた中庭は、視線を遮る代わりに光を取り込む役割も担います。中庭に面する窓の大きさと高さで、室内の明るさが決まります。囲まれた形状は日照時間が限られることもあるため、方位と隣接する壁の高さを設計段階で確認しておくと、想定と実際のずれを減らせます。
延床32坪・3LDKという規模で考えること
延床32坪は、3LDKとしてはゆとりのある部類です。この規模で検討しやすい論点を整理します。
32坪あれば、収納を分散させられる
この家はウォークインクローゼット、ファミリークローゼット、階段下収納、リビング収納の4種類が申告されています。収納は1か所にまとめると管理しやすく、分散させると使う場所の近くにしまえます。32坪という規模は、両方の考え方を組み合わせやすい広さです。衣類は1か所、日用品は使う場所の近くという分け方が、一般的な整理の仕方です。
中庭に配分する面積をどこから出すか
中庭は建物が建てられる面積を使います。土地50坪に対して延床32坪という配分であれば、外周の庭と中庭の両方に面積を回す余地があります。中庭の大きさは、光を入れる目的なのか、使う場所として計画するのかで変わります。テーブルと椅子を置くのか、子どもが遊べる広さが必要なのかを先に決めておくと寸法が定まります。
ワークスペースの位置
ワークスペース付きが申告されています。1階で家事を完結させる計画の場合、ワークスペースを1階に置くと家事の合間に使いやすく、2階に置くと集中しやすくなります。共働き世帯では、2人が同時に使う可能性があるかどうかも判断材料になります。
3人家族と、これから変わる暮らし
投稿には、子どもの成長や老後を見据えた工夫が書かれています。3人家族という現在の構成をふまえて整理します。
子ども部屋のつくり方
子ども部屋がある家として申告されています。子どもが1人の場合、部屋を1室で計画するのが一般的です。将来を見据えるなら、部屋の大きさと窓・入口の配置を、後から分割できる形にしておく方法があります。分割する予定がなくても、家具の置き方が変えられる余地を残しておくと使い方が広がります。
外でものびのび過ごせる空間
投稿には「子どもが家の中でも外でも、のびのび過ごせる空間づくりも大切にしています」と書かれています。中庭とタイルデッキは、その受け皿になる要素です。屋外を使う場所として計画する場合、水栓の位置、屋根や庇の有無、夜間の照明があるかどうかで使える時間が変わります。
ペットスペースの確保
ペットスペースが申告されています。ペットと暮らす場合、床材の傷や滑りにくさ、掃除のしやすさが検討事項になります。無垢材や淡色の床は質感が良い一方で、傷や汚れが目立つこともあります。中庭がある構成では、屋外に出る動線をどこに置くかも計画の要素になります。
地元工務店という選択肢
この家を手がけたのは、地元の工務店です。全国展開のハウスメーカーではなく地域の会社に依頼する場合、確認しておきたいことがいくつかあります。ここでは一般的な観点として整理します。
断熱と構造は、言葉ではなく数値で確認する
「高断熱」「高耐震」という表現は、会社によって基準が違います。断熱であれば UA値、気密であれば C値、耐震であれば耐震等級というように、比較できる数値で聞いておくと判断がぶれません。この家は太陽光発電とZEH(ゼッチ)対応が申告されており、性能を重視した仕様だと考えられます。断熱と耐震は、窓の大きさや間取りの自由度にも影響する項目です。
商品から選ぶか、自由設計か
規格化された商品から選ぶ進め方は、決める範囲が絞られるぶん打ち合わせの負担が軽くなります。完全自由設計は、要望を細かく反映できるかわりに検討項目が増えます。どちらが向いているかは、家づくりにかけられる時間で決まる部分が大きいです。中庭のように形が特殊な要素を入れる場合は、その会社に同様の施工例があるかを見ておくと安心です。
設計・施工・アフターの担当を確認する
地域の会社では、設計・施工・アフターを同じ会社が一貫して担当することが多く、これは距離の近さという利点になります。一方、フランチャイズに加盟している場合は、ブランドが定める仕様と、実際に施工する加盟店の体制が分かれます。どちらがどこまで責任を持つのかを、契約前に整理しておくと後々の安心につながります。保証の年数と、点検の頻度も同時に確認しておきたい項目です。
福岡で建てるときに確認しておきたいこと
この家は福岡県で建てられています。福岡県から佐賀県にかけての平野部は、比較的まとまった広さの土地が確保しやすい地域です。今回の土地50坪という条件でも、建物のほかに中庭と外周の庭に面積を配分できています。一方で、地域によっては軟弱地盤があり、地盤改良の要否と費用が総額に影響します。土地の契約前に地盤調査の結果を確認できるかどうかは、確認しておきたい点です。
気候面では、夏の湿度と台風への備えが検討事項になります。中庭を設ける場合、排水計画が特に重要です。囲まれた形状は雨水の逃げ場が限られるため、排水口の数と位置、オーバーフローしたときの経路を設計者と確認しておくと安心です。あわせて、台風時の飛来物に対する窓の仕様も、地域の事情に詳しい会社であれば具体的な提案が出てきます。
よくある質問
家事を1階で完結させるには何が必要ですか
一般に、キッチン、洗面脱衣、洗濯、干す場所、衣類収納を同じ階にまとめる必要があります。この家ではファミリークローゼットが申告されており、衣類を1か所に集める構成が想定できます。図面を見るときは、洗濯機から干す場所、そこから収納までの動線が何歩になるかを確認してみてください。
中庭のある家は寒くなりませんか
中庭に面して窓が増えると、その分だけ熱が逃げる面積は増えます。ただし窓の性能と断熱仕様によって差は大きく変わります。この家はZEH(ゼッチ)対応が申告されています。中庭を検討する場合、窓のサッシとガラスの仕様、そして建物全体の断熱等級をセットで確認しておくと判断しやすくなります。
可変的な間取りは費用が上がりますか
将来の分割に備えて建具枠や配線を先に用意する場合、その分の費用は初期に発生します。一方で、後から工事する場合は壁の解体や仕上げのやり直しが伴います。どちらが安いかは内容によるため、想定している変更を設計者に伝えて、先に入れる場合と後で入れる場合の見積もりを比較するのが確実です。
土地50坪で中庭をつくると建物が小さくなりませんか
中庭の分だけ建物の面積は減ります。この家は延床32坪で、3LDKに加えてワークスペースと複数の収納が確保されています。中庭を検討する場合は、必要な部屋数と広さを先に固めたうえで、残りの面積で中庭がどれだけ取れるかを見ていく順番が現実的です。
会社名が書かれていないのはなぜですか
掲載にあたって、建築会社名は投稿者のご希望により伏せています。間取りや仕様の内容は、投稿いただいた情報をもとにそのまま掲載しています。
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編集後記
この家の投稿で印象に残るのは、今の暮らしやすさと将来の変えやすさが同じ文章の中に並んでいることです。家事が1階で完結する間取りは今の話で、可変的に変えられる間取りは先の話です。設計の段階で両方を条件として出しておくと、担当者の提案も変わってきます。
共働きで検討している方は、間取り図を見るときに部屋の広さだけでなく、洗濯にまつわる動線が何歩で回るかを数えてみてください。数字にすると比較がしやすくなります。
@chipi0303_home さんのInstagramでは、この家の写真が投稿されています。淡色と木目の質感や中庭の様子は写真のほうが伝わるので、あわせてご覧ください。
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この家を建てた会社
地元工務店
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- 2階建て
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子どもが家の中でも外でも、のびのび過ごせる空間づくりも大切にしています。
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さらに、子どもの成長や老後の暮らしに合わせて、住み方を可変的に変えられる間取りに。
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