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土地33坪、延床33坪。数字だけ見ると余裕のない条件です。それでも @pine26327 さんの家には中庭があり、回遊動線があり、収納は5種類あります。「共働きのため家事効率を上げることを第一に」——優先順位が一つに定まっている家は、狭くても強い。
共働き世帯の家づくりでは、「家事効率」がほぼ必ず要望に入ります。ただ、この言葉は抽象的なので、実際の間取りに落ちないまま終わることが少なくありません。「家事ラク動線でお願いします」と言っても、何がどう楽になるのかは会社によって解釈が違います。
この家が具体的なのは、選ばれている項目が全部つながっている点です。回遊動線、ファミリークローゼット、浴室乾燥機、食洗機、タッチレス水栓、パントリー、宅配ボックス。いずれも「作業の回数を減らす」か「移動の距離を縮める」かのどちらかに効きます。装飾的な設備はほぼありません。
そのうえで、33坪という土地に中庭を作っている。効率を突き詰めた家が、最後に採光と抜けのための余白を残した——いえスタ編集部はこの家を「時間を買う設計」と読みました。
施主のこだわりポイント
共働きのため家事効率を上げることを第一に考えました。
また、土地を有効活用した間取りになっています。
— @pine26327 さんの投稿より、編集部が引用
編集部メモ:この家を一言で言うと
「共働きの時間を、間取りで買った家」。
家事効率を上げる方法は2つしかありません。作業そのものを減らすか、移動を減らすか。この家はその両方をやっています。
作業を減らすのが設備側。食洗機、浴室乾燥機、タッチレス水栓、宅配ボックス。どれも「人がやっていた作業を機械や仕組みに置き換える」ものです。とくに宅配ボックスは、共働き世帯にとって再配達の連絡と待機時間をまるごと消す装置です。
移動を減らすのが間取り側。回遊動線、ファミリークローゼット、パントリー、そして5種類の収納。物を「使う場所の近く」に置くことで、取りに行く時間をゼロに近づけています。
そして中庭。33坪の土地で建ぺい率いっぱいに建てると、屋外はほとんど残りません。それでも中庭を作ったのは、効率だけでは家が息苦しくなることを分かっていたからだと思います。
編集部が注目した3つのポイント
1. 「家事効率」を、設備と間取りの両輪で解いている
家事の負担を減らす方法は、作業を減らすか移動を減らすかの2つです。片方だけでは効果が頭打ちになります。
設備を揃えても、洗濯物を2階のクローゼットまで運ぶなら移動は残る。逆に動線を短くしても、食器を手洗いしていれば作業時間は減りません。この家が設備側(食洗機・浴乾・タッチレス・宅配ボックス)と間取り側(回遊動線・ファミクロ・パントリー)の両方を持っているのは、その構造を理解しているからでしょう。
共働きで優先度をつけるなら、「毎日発生する家事」から順に手を打ってください。食器洗い(毎日3回)、洗濯(毎日)、料理(毎日)。ここに効く食洗機・浴室乾燥機・パントリーは、投資対効果がいちばん高い部類です。
宅配ボックスも見逃せません。共働き世帯は日中の在宅がなく、再配達が常態化します。連絡する時間、待つ時間、受け取る時間。1回15分としても、月に何回発生するかを考えると、設置費用はすぐに回収できます。
2. 土地33坪で中庭を作るという判断
土地33坪は、都市部としては珍しくないサイズですが、庭を取る余裕はほぼありません。建ぺい率50〜60%なら建築面積は16〜19坪。外周に残るのは通路程度です。
そこで中庭です。建物の内側に外部空間を作れば、隣地との距離に関係なく光と風を取り込めます。周囲を建物で囲まれた狭小地では、外周に窓を並べても隣家の壁しか見えないことがあります。中庭はその問題を根本から回避します。
効果は採光だけではありません。視線を気にせず窓を開けられるという点が大きい。密集地では1階の窓のカーテンを開けられないことが多く、それが「暗い家」の実質的な原因になります。
注意点は排水と防水です。四方を囲むぶん雨水の逃げ道が排水口だけになるため、排水口の数と位置、詰まったときの逃げ道、立ち上がりの防水を図面で確認してください。加えて、中庭のぶん外壁面積が増えるので、断熱とコストにも影響します。それでも都市部の33坪で採光と開放感を得る手段としては、他に代えがたい選択です。
3. 収納5種類を、独立した納戸ではなく「動線上」に配置している
ウォークインクローゼット、シューズクローク、ファミリークローゼット、階段下収納、リビング収納。33坪でこれだけの種類を持てるのは、どれも独立した部屋ではなく、壁面や動線の一部として組み込まれているからです。
大きな納戸を1つ作ると3〜4坪必要ですが、奥が死んで「とりあえず置き場」になりがちです。使う場所の近くに小分けにするほうが、面積効率も稼働率も高くなります。
共働き世帯では、この配置が特に効きます。片付ける時間がまとめて取れないため、「ついでにしまえる」場所が必要だからです。玄関で靴と傘、リビングで日用品、洗面横で衣類。それぞれの場所で完結すれば、休日にまとめて片付ける必要がなくなります。
再現するときのコツは、収納の位置を「物が出てくる場所」から決めることです。「何をしまうか」ではなく「どこで散らかるか」。この順番で考えると、必要な場所が自然に決まります。
この家から学べる、共働きの家づくり3つの判断軸
判断軸1:「毎日発生する家事」から順に予算を配分する
食器洗い、洗濯、料理、片付け。毎日発生するものほど、1回あたりの短縮効果が年間で大きくなります。食洗機と浴室乾燥機が共働き世帯で優先度が高いのは、この理由です。
逆に、年に数回しか使わない設備は後回しで構いません。「あったら便利」より「毎日使う」。この基準で並べ替えるだけで、限られた予算の使い道が明確になります。
判断軸2:家事は「動線の長さ×回数」で計算する
洗濯機からクローゼットまで10m、1日2往復なら年間で約14km。この数字を出してみると、ファミリークローゼットを洗濯機の隣に置く価値が具体的に見えてきます。
プランを検討するときは、図面に「洗う→干す→たたむ→しまう」の線を実際に引いてみてください。線が長い、階段をまたぐ、行き止まりがある——このどれかがあれば、そこが毎日効いてくる負担です。
判断軸3:効率を詰めたら、最後に「効率でない場所」を残す
すべてを効率で決めると、家が作業場のようになります。この家が33坪という条件の中で中庭を残しているのは、その反対側の判断です。
効率のための設計と、効率でない余白は、対立しません。むしろ、効率化で生まれた時間を過ごす場所が必要になります。中庭、テラス、窓辺の椅子——何でも構いませんが、「用途を決めない場所」を1つ残すことをおすすめします。
延床33坪・土地33坪という条件を読む
土地と延床が同じ33坪。つまり、2階建てで土地をほぼいっぱいに使っている計算です。この条件が何を意味するかを整理します。
土地33坪=建築面積16〜19坪。庭は残らない
建ぺい率50%なら16.5坪、60%なら19.8坪が建築面積の上限です。ここに駐車スペースを取ると、庭として使える屋外はほぼ残りません。
だからこそ中庭という選択になります。外周に空地が取れない土地では、外部空間は建物の内側に作るしかない。都市部の狭小地でよく使われる手法で、この家もその系譜です。
33坪4LDKは、1部屋あたりを割り切る前提
4LDKの標準構成に必要なのは28〜32坪。33坪ならぎりぎり成立しますが、中庭のぶんを引くと実質はもっと厳しくなります。
成立させる鍵は、子ども部屋を4.5帖程度に抑えること、廊下を最小化すること、収納を壁面化すること。この家が3人家族で4LDKを選んでいるのは、1室を書斎・ワークスペースとして使っている可能性が高い。部屋数と広さのどちらを取るかは、先に決めておく必要があります。
狭小地は坪単価が上がりやすい
敷地に余裕がないと、重機や資材の搬入が難しくなり、工事費に割増が発生することがあります。足場を組むスペース、資材置き場、職人の作業スペース。これらが確保しにくいほど手間が増えます。
加えて、中庭を作ると外壁面積が増え、そのぶんコストも上がります。見積もりを取るときは「狭小地であることによる追加費用」を明示してもらってください。後から出てくると資金計画が崩れます。
共働き3人家族が、この家の設計を再現するには
3人家族で4LDK。部屋数には余裕がありますが、共働きだからこそ気をつけたい点があります。
ファミリークローゼットは洗濯機と同じ階に
これは何度でも書きますが、階をまたぐと時短効果の大半が消えます。洗う・干す・しまうが同じ階で完結する配置にしてください。
この家は浴室乾燥機を持っているので、干す場所も屋内で完結します。「洗濯物を外に干せない日」がストレスにならないのは、共働き世帯にとって想像以上に大きい利点です。天気を気にせず朝に回して出かけられます。
宅配ボックスは、共働きの必須設備と考えていい
日中に在宅していない世帯では、宅配の再配達がほぼ確実に発生します。連絡・待機・受け取りで1回あたり15分前後。月に何回発生するかを数えると、設置費用の回収期間が見えてきます。
新築時に外構と一緒に設置すれば、電源や基礎の工事も同時に済みます。後付けは可能ですが、設置場所と固定方法で選択肢が狭まります。計画の段階で入れておいてください。
ホームシアターは「効率で削らなかった場所」
この家の設備で唯一、家事効率と無関係なのがホームシアターです。共働きの家で、平日の夜と休日をどう過ごすか——そこに投資したということでしょう。
導入する場合は、配線を壁内に通せるのは新築時だけという点を押さえてください。スピーカーの位置、プロジェクターの取り付け、電源とHDMIの経路。あとから露出配線にすると、せっかくのナチュラルモダンな空間が台無しになります。遮光と音の漏れも、間取りの段階で相談しておく項目です。
住友不動産ハウジングで建てるときに押さえたいこと
都市部の限られた敷地で建てる場合、狭小地の設計経験がそのまま結果に出ます。この家の条件(土地33坪・中庭あり)を再現したい場合の確認事項を挙げます。
中庭のある狭小住宅の実績を、図面で見せてもらう
中庭は排水・防水・断熱・採光の4点すべてに影響します。「できます」ではなく、実際に建てた図面を見せてもらってください。排水口の数と位置、立ち上がりの納まり、中庭に面する窓の配置。経験があれば、聞く前に説明が出てきます。
狭小地の追加費用を、見積もりで明示してもらう
敷地に余裕がないと、資材搬入や足場に手間がかかり、工事費に割増が乗ることがあります。また、前面道路の幅によっては大型車が入れず、小分けの搬入で費用が増えることも。「この敷地条件による追加費用はいくらか」を、契約前に金額で確認してください。
家事動線を、図面に線を引いて説明してもらう
「家事ラク動線です」という説明ではなく、洗う→干す→しまうの線を図面上で引いて見せてもらうのが確実です。線が短く、階段をまたがず、行き止まりがなければ本物です。
あわせて、ホームシアターの配線、宅配ボックスの電源、太陽光+蓄電池の設置位置も、この段階で図面に落としてもらってください。
- 中庭のある狭小住宅の実績と図面
- 中庭の排水口の数・位置と、防水の納まり
- 狭小地・前面道路条件による工事費の追加額
- 洗う→干す→しまうの動線を図面に線で引いた説明
- 収納5種類を壁面・動線に組み込んだプラン例
- ホームシアターの配線経路(壁内に通せるか)と遮光・遮音
- 宅配ボックスの設置位置と電源
- 太陽光の想定発電量と蓄電池の容量・停電時の使用可能回路
狭小地では、「できません」と言わない会社より、「ここは難しいので、こう解きます」と言う会社のほうが信頼できます。上のチェックリストは、その姿勢を測るのにも使えます。
関東エリアで33坪の土地に建てる人へ|編集部メモ
関東の市街地では、33坪前後の土地は標準的なサイズです。問題は広さより、隣家との距離と前面道路の幅。隣家が2〜3mの距離に迫っていると、外周の窓からは十分な光が入りません。この家が中庭を選んでいるのは、その状況への合理的な回答です。
土地を検討する段階で見ておきたいのが3点あります。①前面道路の幅(4m未満だとセットバックが必要で、有効面積が減ります)②隣家の窓の位置(中庭やテラスの配置に影響します)③南側の建物の高さ。とくに①は建てられる面積そのものが変わるので、契約前に必ず確認してください。加えて、関東は夏の日射が強いため、中庭に面する窓には庇や外付けブラインドなどの遮蔽を検討してください。中庭は光を取り込む装置であると同時に、夏は熱を溜め込む場所にもなります。
よくある質問
Q. 土地33坪でも中庭は作れますか?
作れます。ただし中庭のぶん居室が減るため、必要な部屋数と両立するかを先に確認してください。建ぺい率50%なら建築面積は16.5坪。ここから中庭を引くと1階の居室はかなり限られます。コの字型・L字型で囲む形が現実的で、四方を完全に囲むロの字は採光と面積の両面で厳しくなります。
Q. 共働きで最初に入れるべき設備は何ですか?
毎日発生する家事に効くものからです。食洗機、浴室乾燥機、宅配ボックスの3つは、共働き世帯では投資対効果がとくに高い部類です。次にパントリー(まとめ買いで買い物回数を減らせる)、タッチレス水栓(調理中の手間が減る)。「あったら便利」より「毎日使う」という基準で並べ替えてください。
Q. 収納は大きな納戸を1つ作るほうがいいですか?
共働き世帯では、小分けにして使う場所の近くに置くほうが機能します。まとめて片付ける時間が取れないため、「ついでにしまえる」場所が必要だからです。大きな納戸は奥が死んで「とりあえず置き場」になりがち。収納の位置は「何をしまうか」ではなく「どこで散らかるか」から決めてください。
Q. ホームシアターは新築時に入れるべきですか?
配線を壁内に通せるのは新築時だけなので、やる可能性があるなら配線と下地だけでも先に入れておくことをおすすめします。機器は後から買えますが、露出配線は見た目に響きます。あわせて、遮光(窓の位置とカーテンボックス)と音漏れ(隣室・上階との関係)も間取りの段階で相談してください。
Q. 同じ住友不動産ハウジングの事例をもっと見るには?
いえスタでは施工会社別に事例を絞り込めます。住友不動産ハウジングの家アカ一覧から、間取り・坪数・テイスト別に比較できます。都市部の狭小地の事例が複数あると、自分の土地での可能性が判断しやすくなります。
同じ条件の家アカをもっと見る
編集後記
@pine26327 さんのこだわり文は2行だけです。「共働きのため家事効率を上げることを第一に考えました」「土地を有効活用した間取りになっています」。
「第一に」と書けるのが強い。家づくりでは要望がいくつも並びますが、その中で何が1位かを言い切れる人は多くありません。1位が決まっていれば、迷ったときに戻る場所があります。
そして選ばれた設備を見ると、その1位が本当に守られています。食洗機、浴室乾燥機、タッチレス水栓、宅配ボックス、回遊動線、収納5種類。ほぼ全部が「時間を減らす」ためのものです。ここまで一貫していれば、住んでからの評価もぶれません。
そのうえで中庭とホームシアターがある。効率だけの家にはしなかった、ということだと思います。削るものが決まっている人は、残すものも決められる。33坪という条件でこれだけ入っているのは、その順番が最初から正しかったからでしょう。
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この家を建てた会社
住友不動産ハウジング
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- 4LDK
- 33坪
- 33坪
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共働きのため家事効率を上げることを第一に考えました。
また、土地を有効活用した間取りになっています。


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