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窓の前に植栽を植えて、額縁のように景色を切り取る。石川県で住友林業が手がけた延床32坪・4LDKの平屋を、@nun__house さんの投稿をもとに見ていきます。
平屋は上の階がないぶん、光をどう入れるかが計画の中心になります。2階建てであれば吹き抜けや2階の窓から上方向の採光が取れますが、平屋では基本的に横からの光が主役です。そのため窓の位置と、その外に何があるかが、室内の印象を大きく左右します。
今回紹介する @nun__house さんの家は、石川県の延床32坪・4LDKの平屋です。投稿には「リビングの大開口窓と窓辺のヌックがこだわりポイントです。平屋でも朝日がたっぷり入るリビングになりました」と書かれています。そのうえで「大開口窓の前には植栽を植えて額縁のように景色を切り取ってみえるのがお気に入りです」と続きます。
窓は光を入れる開口であると同時に、外の景色を切り取る枠でもあります。この家では、その両方が意識されています。以下、投稿の内容にそって整理していきます。
施主のこだわりポイント
無垢床や木天井など、木のぬくもりが感じられる和モダンな家を目指しました。
リビングの大開口窓と窓辺のヌックがこだわりポイントです。平屋でも朝日がたっぷり入るリビングになりました。大開口窓の前には植栽を植えて額縁のように景色を切り取ってみえるのがお気に入りです。
もうひとつの大開口窓は軒をたっぷり出して屋根ありのテラスに。リビングの木天井からテラスの軒まで木目が一直線で外との繋がりを感じられるつくりにしてもらいました。
家の正面には窓を設けず、一面吹付けの外壁です。日の当たり方で雰囲気が変わるところもお気に入りです。 — @nun__house さんの投稿より、編集部が引用
編集部メモ:この家を一言で言うと
この家を一言でいうと、窓の外側まで設計した家です。
投稿では、大開口窓が2つ登場します。ひとつは前に植栽を植えて景色を切り取る窓、もうひとつは軒を出して屋根付きテラスにつなげる窓です。どちらも、窓そのものではなく、窓の外に何を用意するかが書かれています。
さらに「リビングの木天井からテラスの軒まで木目が一直線で外との繋がりを感じられるつくり」とあります。室内の天井と屋外の軒を同じ素材で連続させる方法です。一方で正面には窓を設けず、一面を吹付けの外壁にしている。開く方向と閉じる方向がはっきり分かれた構成です。
編集部が注目した3つのポイント
植栽で景色を切り取る大開口窓
投稿には「大開口窓の前には植栽を植えて額縁のように景色を切り取ってみえるのがお気に入りです」と書かれています。あわせて「窓辺のヌック」があり、「平屋でも朝日がたっぷり入るリビングになりました」とあります。
窓を大きくすると光は入りますが、外の景色がそのまま見えます。隣家や道路が視界に入る場合、大きさが逆に負担になることがあります。窓の外に植栽を置くと、視線が植栽で止まり、その先は見えにくくなります。緑が視界に入ることで、窓が景色を見る枠として働きます。ヌックは小さく囲われた居場所を指し、窓辺に設ければ、その景色を見ながら過ごす場所になります。平屋で横からの採光が主になる構成では、窓のそばに滞在する場所を用意する意味が大きくなります。
木目が一直線に続く、軒の深いテラス
もうひとつの大開口窓について、投稿には「軒をたっぷり出して屋根ありのテラスに。リビングの木天井からテラスの軒まで木目が一直線で外との繋がりを感じられるつくりにしてもらいました」と書かれています。
室内の天井と屋外の軒天を同じ素材でそろえ、木目の向きまで通すと、視線が室内で止まらず外まで抜けます。窓を境に素材が切り替わると、そこで内と外が分かれて見えます。連続させると、テラスまでがひと続きの空間として感じられます。深い軒には実用的な役割もあり、夏の高い日射を遮りながら冬の低い日射は取り込めます。雨の日にも窓を開けやすくなり、屋外の床が濡れにくくなるため、テラスを使える日が増えます。
正面に窓を設けない、一面の外壁
外観については「家の正面には窓を設けず、一面吹付けの外壁です。日の当たり方で雰囲気が変わるところもお気に入りです」と書かれています。
道路に面した正面から窓をなくすと、外からの視線が入らず、室内はカーテンに頼らずに使えます。同時に、外観としては開口のない一枚の面になります。吹付けの外壁は表面に細かい凹凸ができるため、光の角度によって陰影の出方が変わります。窓で表情をつくらない場合、素材そのものの質感が外観を決めます。平屋は建物の高さが低く、道路からの見え方が2階建てと異なるため、正面をどう扱うかが印象に直結します。
和モダンを木の質感でまとめる3つの視点
木を使う面を決めてから量を決める
この家では無垢床と木天井が挙げられています。床と天井の両方に木を使うと、上下から木に囲まれた印象になります。壁まで木にすると密度が高くなるため、どこを木にしてどこを塗り壁やクロスにするかを先に決めておくと、まとまりを保ちやすくなります。
内と外で素材を切り替えない
木天井から軒天まで同じ素材を通す方法は、内外のつながりをつくる代表的な手法です。屋外に使う場合は、耐候性のある仕様が必要になります。同じ見た目でも室内用と屋外用で製品が分かれることがあるため、どこまで連続させるかを設計段階で確認しておくと想定どおりになります。
閉じる面をつくって、開く面を際立たせる
正面に窓を設けない一方で、リビング側には大開口窓を2つ設けています。すべての方向に窓を取るより、開く方向を絞ったほうが、その窓の効果は際立ちます。敷地のどの方向に何があるかを整理し、開く面と閉じる面を分けて考えると計画が進めやすくなります。
延床32坪・4LDKの平屋という規模で考えること
平屋で延床32坪・4LDKは、部屋数を確保しつつ広いリビングも取る構成です。この規模で検討しやすい論点を整理します。
平屋は同じ延床でも敷地が広く必要になる
2階建てと違い、平屋はすべての部屋が1階に並びます。延床32坪の平屋を建てる場合、建築面積も32坪前後になり、駐車場や庭を含めるとまとまった敷地が必要です。この家は土地面積が未記載のため断定はできませんが、平屋を検討する際は、必要な敷地の目安を早い段階で確認しておくと土地探しが進めやすくなります。
廊下を減らして居室に配分する
平屋で部屋数を確保すると、各室をつなぐ廊下が長くなりがちです。この家は回遊動線の家として申告されており、行き止まりをつくらない計画と考えられます。部屋どうしを直接つなぐ、水回りを中心に回遊させるといった方法で、通路だけの床を減らすと居室に面積を回せます。
採光は横からになる
平屋では2階からの採光が使えないため、窓の位置と方位が明るさを決めます。建物の中央付近の部屋は光が届きにくくなるため、天窓やハイサイドライトを検討する場合もあります。この家は大開口窓を2つ設ける構成で、朝日が入るリビングになったと投稿に書かれています。
3人家族と平屋の暮らし
3人家族で4LDKの平屋。部屋数に余裕のある構成です。
個室4室の使い方
寝室と子ども部屋のほかに2室の余裕があります。書斎・ワークスペースが申告されており、そのうち1室が該当すると考えられます。平屋は将来的にすべての部屋を階段なしで使えるため、年齢を重ねてからの使い方を想定しやすい形です。
ヌックという居場所
窓辺のヌックがこだわりとして挙げられています。広いリビングの中に小さく囲われた場所があると、家族それぞれが別の過ごし方をしやすくなります。ヌックを計画する場合、天井の高さを下げる、床を上げるなど、囲われた感覚をどうつくるかが要点になります。
屋根のあるテラスが使える時間
軒を深く出した屋根付きテラスは、雨の日でも使えます。タイルデッキも申告されており、屋外を生活の一部として使う構成です。子どもが遊ぶ場所として使う場合は、リビングから見える位置にあるかどうかも確認しておきたい点です。
住友林業という選択肢
この家を手がけたのは住友林業です。木の見せ方が計画の中心にある家なので、その観点から論点を整理します。
無垢床と木天井の選択肢
投稿には無垢床と木天井が挙げられています。樹種、仕上げ、幅によって印象と価格が変わります。無垢材は調湿する一方で、季節による伸縮や傷がつきやすい面もあります。実際のサンプルを面で確認し、メンテナンスの方法もあわせて聞いておくと、入居後のギャップが減ります。
軒を深く出すという要望の伝え方
軒の出は、日射のコントロールと外観の両方に関わります。深く出すほど構造や外壁との取り合いに検討が必要になり、費用にも影響します。木天井から軒天まで木目を通す計画は、施工の精度が求められる部分でもあります。初回の打ち合わせで要望として伝え、実現の可否と追加費用を確認しておくと計画が進めやすくなります。
平屋での費用の考え方
一般に、同じ延床面積であれば平屋は2階建てより基礎と屋根の面積が増えます。そのぶん坪単価は上がる傾向があります。一方で階段がなく、その分の面積を居室に使えます。比較する際は坪単価だけでなく、総額と必要な敷地面積を含めて見ると判断しやすくなります。
- 無垢床の樹種・仕上げと、標準に含まれる範囲
- 木天井から軒天まで素材を連続させる場合の仕様と追加費用
- 軒の出をどこまで確保できるか。構造・外壁との取り合いは
- 大開口窓のサッシ仕様と、断熱性能への影響
- ZEH仕様は標準か、オプションか
- 積雪地における屋根形状と、軒に対する雪の影響
ここに挙げた項目は、木の見せ方と深い軒を計画する場合に共通して効く確認事項です。同じ条件を複数社に提示し、実現できる範囲と費用を並べると、判断の材料がそろいます。
石川県で建てるときに確認しておきたいこと
この家は石川県で建てられています。北陸は冬の降雪と、年間を通じた降水量の多さが特徴です。深い軒は雨の多い地域で有効に働き、外壁が濡れる量を減らし、窓を開けられる日を増やします。一方で、積雪地では軒に雪が乗ることを前提に、構造と屋根の形状を検討する必要があります。屋根から落ちる雪がどこに溜まるか、テラスやアプローチに影響しないかは、設計段階で確認しておきたい点です。
断熱についても、本州の温暖地とは求められる水準が変わります。大開口窓を2つ設ける計画では、窓からの熱の出入りが大きくなるため、サッシとガラスの仕様が住み心地に直結します。この家はZEH(ゼッチ)対応が申告されています。あわせて、平屋は基礎の面積が大きいため、床下の断熱と地面からの冷えへの対策も確認事項になります。
よくある質問
平屋でも明るいリビングはつくれますか
窓の位置と方位で決まります。この家では大開口窓を設け、投稿に「平屋でも朝日がたっぷり入るリビングになりました」と書かれています。建物の中央付近は光が届きにくいため、間取りの段階でどの部屋にどの方向から光が入るかを確認しておくと安心です。
窓の前に植栽を植えるとどんな効果がありますか
視線が植栽で止まるため、その先の道路や隣家が見えにくくなります。あわせて、緑が視界に入ることで窓が景色を見る枠として働きます。落葉樹を選べば、夏は葉で日射を遮り、冬は葉が落ちて光が入るという使い方もできます。植える位置と樹種は、外構の計画で相談する部分です。
軒を深くすると暗くなりませんか
軒は夏の高い角度の日射を遮り、冬の低い角度の日射は取り込みます。方位と軒の出の寸法によって効果が変わるため、南面かどうかで考え方が異なります。設計者に日射のシミュレーションを依頼できる場合は、時期ごとの入り方を確認しておくと判断しやすくなります。
正面に窓がない家は暗くありませんか
窓を設ける方向を絞っても、他の面から十分な採光が取れていれば室内は明るくなります。この家では正面に窓を設けない代わりに、リビング側に大開口窓を2つ設けています。どの方向から光を入れるかを整理したうえでの選択です。
ヌックはどれくらいの広さが必要ですか
決まった寸法はありません。1畳程度から計画される例もあり、何をする場所かによって変わります。窓辺に設ける場合は、座ったときの目線の高さで外がどう見えるかを確認しておくと、想定どおりの居場所になります。
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編集後記
この家の投稿には、窓そのものの説明はほとんど出てきません。書かれているのは、窓の前に植えた植栽のこと、窓の外に出した軒のこと、そして窓を設けなかった正面のことです。
窓は光を入れる開口であると同時に、外を見る枠でもあります。図面で窓の大きさを決めるとき、その外側に何があるかまで一緒に考えると、同じ大きさの窓でも見え方が変わります。外構を後回しにしないという点でも、参考になる進め方です。
@nun__house さんのInstagramでは、この家の写真が投稿されています。木天井から軒へ続く木目や植栽の見え方は写真のほうが伝わるので、あわせてご覧ください。
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この家を建てた会社
住友林業
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無垢床や木天井など、木のぬくもりが感じられる和モダンな家を目指しました。
リビングの大開口窓と窓辺のヌックがこだわりポイントです。平屋でも朝日がたっぷり入るリビングになりました。大開口窓の前には植栽を植えて額縁のように景色を切り取ってみえるのがお気に入りです。
もうひとつの大開口窓は軒をたっぷり出して屋根ありのテラスに。リビングの木天井からテラスの軒まで木目が一直線で外との繋がりを感じられるつくりにしてもらいました。
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