住友林業で和モダンの平屋を建てた、@oudon_sumirin さんの北海道の家。33坪・3LDK・2人家族(+将来の子ども部屋を想定)という、平屋としてはコンパクトな延床面積に「家事ラク動線」「回遊動線」「広いリビング」「ウォークインクローゼット」「シューズクローク」「パントリー」をすべて詰め込んでいるのが特徴です。玄関には札幌軟石(さっぽろなんせき)の飛石。北海道という土地・住友林業という選択・和モダン平屋というテーマが、一本筋で通った家だと感じました。
この記事では、家アカの写真だけでは伝わりにくい「なぜこの家がうまくいっているのか」を、いえスタ編集部の視点で読み解きます。住友林業で和モダンや平屋を検討している方、北海道で平屋を建てる選択を考えている方の判断材料になればうれしいです。
この家の基本情報
| 家タイプ | 平屋 |
|---|---|
| 間取り | 3LDK |
| 延床面積 | 33坪 |
| 土地面積 | 90坪 |
| テイスト | 和モダン / 和風 |
| 地域 | 北海道 |
| 家族構成 | 2人家族 |
| 建築会社 | 住友林業 |
| 主な設備 | セパレートキッチン / タッチレス水栓 / 食洗機(ビルトイン) / タンクレストイレ / パントリー |
| 収納の工夫 | ウォークインクローゼット / シューズクローク / リビング収納 |
| 暮らしのこだわり | 家事ラク動線 / 回遊動線 / 広いリビング / 子ども部屋 / ウッドデッキ・テラス |
施主のこだわりポイント(投稿より引用)
住友林業らしい木質感を全面に出したお家になります。玄関には札幌軟石を用いた飛石が置いてあり和の雰囲気を味わえます。
— @oudon_sumirin さんのInstagramより
編集部メモ:この家を一言で言うと
「住友林業の標準仕様で、北海道の素材感まで取り込んだ和モダン平屋」。この家のいちばんの個性は、玄関アプローチに据えた札幌軟石の飛石です。和モダンの玄関には御影石・大谷石・砂岩などいろいろな選択肢がありますが、「北海道で建てる和モダン平屋に、北海道の石を据える」という選び方は、デザインの理由だけでは説明できない、その土地で暮らすことへの態度のようなものを感じました。
編集部が注目した3つのポイント(この家固有)
1. 玄関の「札幌軟石の飛石」が、和モダンを”ありがち”で終わらせない
札幌軟石は、明治期から札幌を中心に建材として使われてきた、北海道産の凝灰岩です。札幌市資料館や旧道庁本庁舎周辺など、市内の歴史的建築でもおなじみの素材で、近年は採掘量が減って希少になっています。色味は淡いベージュ〜グレーで、木の質感とぶつからず、かといって主張がなさすぎることもない。和モダンの「黒×木」の構成に対して、ニュートラルな”余白”を作ってくれる素材です。
住友林業は造作・素材の自由度が高いハウスメーカーで、こうした地域素材を玄関や外構に組み込みたいときに相談しやすい点が強み。同じ和モダン平屋でも、外構を分離発注で別の業者に投げてしまうと、家本体と素材のトーンがズレることが結構あります。外構まで含めて素材設計を一気通貫で頼めるのが、この家がうまくいっている隠れた理由だと、編集部としては見ています。
2. 33坪・3LDKに「平屋+回遊動線」を成立させた間取りの工夫
延床33坪の平屋は、平屋としてはコンパクトな部類に入ります。一般的に「平屋で3LDK+広めのLDK+ウォークインクローゼット+シューズクローク+パントリー」を全部入れたいと思うと、35〜38坪は欲しい、というのがハウスメーカー側の目安。それを33坪で収めて、なおかつ「家事ラク動線」「回遊動線」までこだわりに入っているのは、設計の優先順位がはっきりしているサインです。
平屋で回遊動線を作るとき、定石は「水回り(キッチン・洗面・浴室)を一直線または”コの字”に並べ、その背面に収納と回遊路を通す」パターン。玄関→シューズクローク→パントリー→キッチン→洗面→浴室→ウォークインクローゼット、と、買い物帰りの導線と家事の導線が重なるルートが取れていれば、3歩ぶんくらい毎日の家事が短縮されます。33坪という限られた延床で、廊下を「ただの移動空間」ではなく「収納+通路」として機能させることで、平屋の弱点(廊下が長くなりがち/面積効率が落ちがち)を打ち消しているのがうまい。
3. 北海道で「あえて平屋」を選ぶ意味と、その代償
北海道で平屋というと、必ず話題になるのが 雪・断熱・基礎 の3つです。
雪については、屋根形状の選び方で日々の負担が大きく変わります。和モダン平屋に多い「軒の深い片流れ」「寄棟」を寒冷地で採用するなら、屋根の雪荷重に対する構造計算と、軒先からの落雪エリアの確保が必須になります。札幌圏なら無落雪屋根(フラット屋根+スノーダクト)も選択肢で、見た目の和モダン感とのバランスをどう取るかは設計士との詰めどころ。
断熱については、住友林業の北海道仕様(断熱等性能等級6〜7に対応するプランあり)が前提条件として強い。和モダンは開口部を大きく取りがちなので、サッシは樹脂サッシ・トリプルガラスが妥当ライン。窓を大きくしたぶん性能で取り戻す、という考え方になります。
基礎については、北海道は凍結深度が深いので、本州と同じ基礎仕様では建てられません。札幌〜旭川あたりだと凍結深度0.6〜1.2m程度を見込む地域が多く、基礎工事費が本州より上振れします。
そのうえで、平屋は2階に上がる必要がない分、年齢を重ねても暮らしやすい一方で、屋根面積と基礎面積が広くなるので、㎡あたりの建築コストは2階建てより上がる傾向があります。「初期コストより、長期の暮らしやすさ・住み心地を取る」と決め切れる人にとって、北海道の和モダン平屋はとても相性がいい選択だと思います。@oudon_sumirin さんの家は、その判断にきちんと振り切れている印象です。
この家から学べる、和モダン平屋を建てるときの3つの判断軸
判断軸1:木質感を「全面」に出すか、「アクセント」に絞るか
@oudon_sumirin さんの家は前者で、住友林業の真骨頂を生かしたスタイル。一方、和モダンには「白漆喰+木のアクセント」「黒の外壁+木の軒裏だけ木目」のように、木をぐっと絞って使う流派もあります。住友林業の標準仕様でどこまで木を出せるか、無垢材か突板(つきいた)か、追加費用がいくらか、は最初の見積もりで必ず詰めるところ。「住友林業=木の家」の解像度は、契約前の打ち合わせで上げられるかどうかで変わります。
判断軸2:水回りを”一筆書き”にできるか
家事ラクと回遊動線は、水回りの位置でほぼ決まります。間取り図を確認するとき、洗濯機 → 物干し → クローゼットの距離が3歩以内になっているか、キッチン → パントリー → 玄関の動線が交差していないか、を必ず指差しで確認するのがおすすめ。図面で「家事動線」と書かれていても、実際に動かしてみると遠回りしている設計は意外と多いです。
判断軸3:寒冷地で和モダン平屋を建てるなら、確認したい3項目
(1) 屋根形状と雪処理:落雪式か無落雪式か、軒先の落雪エリアは確保できているか
(2) 断熱等級:可能なら6以上、できれば7。サッシは樹脂+トリプルガラスが基準
(3) 基礎の凍結深度対応と床下の換気設計
この3つが標準仕様でどこまでカバーされるか、追加費用がいくらかは、ハウスメーカーの相見積もりで一番差が出る部分です。住友林業だけで決め切らず、北海道地場の強いメーカー(土屋ホーム・ジョンソンホームズ・ロゴスホームなど)と同条件で比較しておくと、判断材料が増えます。
平屋の坪数別 間取り比較|28坪・33坪・35坪・40坪の違い
同じ「平屋」でも、坪数が変わるとLDKの広さや部屋数の取り方が大きく変わります。検討中の方が悩みやすい4サイズを比較しました。
28坪 平屋(2LDK〜3LDK相当)
2人家族・DINKsや、子ども独立後のセカンドライフに人気のサイズ。LDKは16〜18畳が目安で、寝室・書斎・水回りをコンパクトにまとめる設計が中心です。28坪は土地が小さくても建てやすい一方、収納と廊下の取り方で住み心地が大きく変わります。
33坪 平屋(3LDK/本記事の事例)
3人家族〜4人家族の中心ボリューム。LDKを18〜20畳に取りつつ、回遊動線や水回りの一筆書きが組み込めるサイズ。本記事の住友林業×和モダンの事例は、この33坪・3LDKに「回遊動線」を成立させた好例です。
35坪 平屋(3LDK〜4LDK)
+1部屋、または土間収納・パントリー等の付加要素を取り込みやすいサイズ。4人家族で子ども2人それぞれの個室を持ちたい場合、35坪以上が目安になります。
40坪 平屋(4LDK以上)
家族4〜5人、ペット同居、書斎やワークスペースをしっかり取りたい家庭向け。土地は最低でも60〜70坪以上が必要になることが多く、外構コストも考慮が必要です。
平屋 3LDK と 4LDK|家族構成別のおすすめと選び方
平屋を検討する際、3LDKか4LDKかで迷うケースは多いものです。家族構成と将来の暮らしから逆算して選びましょう。
3LDK 平屋が向いている人
2〜3人家族、または子どもが独立予定の世帯。LDK+主寝室+子ども部屋(1〜2)で、坪数を抑えて建築コスト・光熱費・メンテ費用を最適化したい人に向きます。本記事のように33坪・3LDKに回遊動線を組み込むと、コンパクトでも開放感を確保できます。
4LDK 平屋が向いている人
4人家族で子ども2人にそれぞれ個室を確保したい、または親世帯との同居や来客用の客間が必要な世帯。最低でも35坪以上、土地は60坪以上が目安になります。28坪で4LDKを成立させる場合は、各居室を最小限に切り詰めて廊下を極限まで削る設計が必要です。
住友林業 vs タマホーム・一条工務店|平屋3LDKでハウスメーカーを比較するポイント
「住友林業の平屋」「タマホームの平屋3LDK」「一条工務店の平屋」など、ハウスメーカー比較で迷われる方は多いものです。代表的な3社の特徴を、平屋3LDKの観点で整理しました。
住友林業|木質感とBF構法、和モダンの強み
「木の家」を強みとし、和モダン・ナチュラル・ナチュラルモダンと相性が良いメーカー。BF(ビッグフレーム)構法で大開口・大空間を取りやすく、本記事の事例のように「33坪でも回遊動線」が成立する設計力が魅力です。価格帯は中〜上位。
タマホーム|コストパフォーマンスと標準仕様の充実
「ローコスト寄り」のイメージで知られますが、長期優良住宅対応・標準仕様の幅広さで近年評価が上がっているメーカー。平屋3LDKを坪単価60万円台で建てたい層に支持されています。
一条工務店|超高気密・高断熱と全館床暖房
UA値・C値の高水準と全館床暖房が標準クラスの強み。寒冷地での平屋検討では特に有力候補。間取りの自由度は他社より制約があるため、規格内で完結する設計を好む人向き。
比較する際のチェックリスト
- 平屋3LDKでの標準仕様(窓・サッシ・断熱・サニタリー)の範囲
- 大開口・吹き抜けの可否と追加コスト
- 寒冷地・温暖地それぞれの実績数
- 外構・庭・タイルデッキ等の見積もり方
- アフター保証の年数と内容
1社で決め切らず、最低3社で同条件相見積もりを取ってから判断するのが後悔しないコツです。
北海道で住友林業の平屋を検討する人へ|編集部メモ
住友林業は全国展開で、北海道エリアにも対応しています。ただ、「寒冷地での得意・不得意」はハウスメーカーごとに差があるのも事実。住友林業は「木質感の表現力と造作の自由度」、北海道地場メーカーは「寒冷地施工の経験値と気密性能の作り込み」に、それぞれ強みがあります。どちらが正解というより、「家のテーマ(和モダン重視か、性能重視か)」で相性が変わるイメージです。
比較するときは、必ず同じ条件(延床・LDK・断熱等級・屋根形状)で見積もりを取り、坪単価だけで判断しないこと。同じ坪単価でも、標準仕様に何が含まれるかでトータル金額が数百万円単位で変わります。
よくある質問
Q. 33坪・3LDKの平屋は、2人家族には広すぎませんか?
A. 「広すぎる」とは限らないと思います。@oudon_sumirin さんの家のように、ウォークインクローゼット・シューズクローク・パントリー・リビング収納をしっかり仕込むと、収納面積だけで数坪取られます。LDKを20帖前後で広めに取り、寝室+客間(または将来の子ども部屋)を確保する3LDKは、長く住む前提では妥当なサイズです。在宅ワークやシニア期の暮らしを見越すと、むしろ余裕は持っておきたいところ。
Q. 札幌軟石を玄関に使うと、コストはどのくらい?
A. 流通量が減っていることもあり、御影石など一般的な石材より単価は高くなる傾向があります。ただし飛石・玄関アプローチ程度の使用量であれば、外構工事の中で吸収できる範囲。外壁全面に使うとなると別途見積もりです。住友林業の提案工事として外構を含めるか、外構業者に分離発注するかでも金額が変わります。トーンを揃えたいなら、家本体の見積もり段階で素材を決めて発注するほうが失敗しにくい印象です。
Q. 北海道で平屋と2階建て、どちらが暮らしやすい?
A. 家族構成と土地次第です。土地に余裕があり、足腰の負担を将来的に減らしたいなら平屋。建物面積を抑えて建築費・固定資産税を下げたい、または狭小地なら2階建て。寒冷地では屋根面積が広い分、平屋のほうが除雪・落雪の影響を受けやすいので、屋根形状とセットで考えてください。
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編集後記
@oudon_sumirin さんの家は、写真だけ見ると「シンプルで上品な和モダン平屋」ですが、こだわりポイントを1つずつ読み解くと、北海道という土地・住友林業という選択・回遊動線という設計思想が一本筋で通っているのが分かります。家アカは「写真の雰囲気」だけで判断されがちですが、こうやって背景を分解すると、自分が建てるときに何を優先するかが見えてきます。和モダン平屋を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
他のハウスメーカーとも比較したい方へ
住友林業も気になるけど、北海道で和モダン平屋を建てるなら他社とも比較してから決めたい、という方は、希望条件に合う間取りプランを複数社から無料でもらえるサービスの活用がおすすめです。条件(平屋・和モダン・予算)を入力するだけで、ハウスメーカー側から具体的な間取り案が届きます。
- 平屋
- 3LDK
- 33坪
- 90坪
- 和モダン | 和風
- セパレートキッチン(独立型) | タッチレス水栓 | 食洗機(ビルトイン) | タンクレストイレ | パントリー(食品庫)
- ウォークインクローゼット | シューズクローク | リビング収納
- 家事ラク動線 | 回遊動線の家 | 広いリビングの家 | 子ども部屋がある家 | ウッドデッキ・テラス
- 北海道
- 住友林業
- 2人家族
-
住友林業らしい木質感を全面に出したお家になります。玄関には札幌軟石を用いた飛石が置いてあり和の雰囲気を味わえます。


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