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子供部屋の間取りで最初に決めるべきなのは、じつは「何畳にするか」ではありません。いつ、どうやって分けるかです。
いえスタが取材した家アカ100軒の記事を読み返すと、子ども部屋に言及していた家のうちおよそ4軒に1軒が「今はひと部屋、将来は間仕切りで2つに分ける」前提で設計していました。ところが同じ取材のなかで、分けるつもりだったのにドアが1つしかない・窓が片側に寄っている・エアコンが1台しか付けられないという理由で、実際には分けられないまま使っている家も出てきます。
この記事では、4.5畳・5畳・6畳に何が置けて何が置けないのかを実寸で整理したうえで、「将来分ける」を本当に成立させるために着工前に決めておく項目、そして家アカ取材で繰り返し出てきた後悔とその潰し方までまとめます。
結論:子供部屋の間取りは「畳数」より「割ったあとの幅」で決まる
先に、この記事でいちばん伝えたいことを書きます。将来2部屋に分けるつもりなら、8畳では足りません。
理由は面積ではなく、割ったあとの「幅」です。8畳の洋室はおおむね3.6m×3.6m。真ん中で仕切ると、1部屋あたり1.8m×3.6mの細長い部屋になります。シングルベッドの幅がおよそ1m。壁づけしても残りは80cmで、これは人が通るための通路でほぼ消えます。学習机(奥行60cm)を置く場所が物理的にありません。
分割前提なら、目安はこうなります。
| 元の広さ | 割った後(1部屋) | 置けるもの |
|---|---|---|
| 8畳(3.6×3.6m) | 約4畳/幅1.8m | ベッドのみ。机は入らない |
| 10畳(3.6×4.5m) | 約5畳/幅2.25m | ベッド+机。通路は65cm程度でギリギリ |
| 12畳(3.6×5.4m) | 約6畳/幅2.7m | ベッド+机+本棚。余白が残る |
「将来分けられる大きな部屋」と言われたら、まず10畳以上あるかを確認してください。8畳を分割前提で提案された場合は、片方を寝るだけの部屋、もう片方を勉強もする部屋、というように用途を非対称に割り切る覚悟が要ります。

子供部屋は何畳? 4.5畳・5畳・6畳に実際に置けるもの
畳数だけ見ても判断できないので、家具の実寸で考えます。シングルベッドは約100×200cm、学習机は幅100〜120×奥行60cm、椅子を引くのに前方60cmが必要です。
4.5畳(約2.7×2.7m)|寝る・着替える・しまうに割り切る広さ
ベッドとクローゼットを入れると、残るのは1畳ぶんほど。学習机を入れると床が見えなくなります。小学生のうちはリビング学習が中心で、部屋は寝る・着替える・持ち物を管理する場所と決められる家なら成立します。逆に、中高生になって在室時間が延びると窮屈さが出やすい広さです。
5畳(約2.7×3.1m)|ベッド+机+本棚が入る現実的なライン
ベッドを壁づけし、対面に机を置いても椅子を引ける。取材した家アカのなかにも「子ども部屋は寝るためだけと割り切って5畳にした」という設計が出てきます(chikori-no-ie さんの家)。個室の面積を絞ったぶんをLDKや共用の学習スペースに回す考え方で、延床を増やさずに満足度を上げやすい選択です。
6畳(約2.7×3.6m)|迷ったらここ、中高生でも狭くならない
家アカ取材で子ども部屋の畳数が具体的に書かれていた事例を数えると、いちばん多かったのが6畳でした。ベッド・机・本棚を置いてまだ床の余白が残り、友達が来ても座る場所がある。6畳を2部屋つくると約12畳ぶんの面積が必要になるので、そのぶんは廊下や2階ホールを削って捻出しているケースが目立ちます。

「将来間仕切り」を本当に成立させる5つの仕込み
可変にしておく発想そのものは正解です。取材した家でも、ot_hotel_like さんの家のように3LDKで子ども部屋を将来分割できる形にして、いまは共用空間の質にお金を寄せている例があります。問題は、図面に「将来間仕切り」と書いてあるだけで安心してしまうことです。分けるのは壁ではなく、ドア・窓・照明・コンセント・エアコンです。
仕切る位置を、図面に線として引いておく
「だいたい真ん中で」は必ず揉めます。壁がどこに立つかで、窓の見え方も家具の置き方も変わるからです。打ち合わせの段階で、分割線を実線で描いてもらい、その線を前提に以下を全部決めます。
ドアは最初から2つ付ける
ここが最大の分かれ道です。あとからドアを増やすには、廊下側の壁を壊して開口を取り直す工事になり、費用も工期も跳ね上がります。しかも廊下の幅や階段の位置によっては、そもそも増やせないことがあります。新築時に2つ付けておけば、分割前は「出入り口が2つある広い部屋」として普通に使えます。
窓は各部屋に1つずつ。採光の基準は分割後で満たす
居室には床面積に対して一定以上の採光窓が必要で、分割後もそれぞれの部屋が単独で条件を満たしていないと「居室」として使えません。窓が片側に2つ寄っていると、分けた瞬間に片方が窓なしの納戸になります。分割線をまたぐ位置に大きな窓が1つ、という配置も要注意です。
電気は「2部屋分」で承認する
電気図面は、分割後のレイアウトで見てください。具体的にはこの5点です。
- 照明を2回路に分け、スイッチも分割線の左右に1つずつ置く
- エアコンのスリーブ(壁の穴)と専用コンセントを2台分先に用意する
- コンセントは分割後の各部屋に最低4か所。机の予定位置には必ず1か所
- ベッドの枕元にも1か所(充電と照明で必ず使います)
- テレビ・ゲーム機を想定するならLAN配線も2部屋分
エアコンは特に見落とされます。1台で広い1部屋を冷やす計画のまま分けると、壁の向こう側にはエアコンがありません。室外機の置き場と配管ルートも含めて、2台想定で確認しておくと安心です。コンセントの数と位置は家づくり全体でも後悔が集中するポイントなので、家アカ100軒の後悔TOP10もあわせて見ておくと判断が早くなります。
壁下地と、分割工事の見積もりを先にもらう
将来の壁が立つ位置に、天井・床・両側の壁の下地を入れてもらいます。新築時なら追加は数万円程度で済むことが多く、あとから探して補強するより確実です。あわせて「10年後にこの壁を立てるといくらか」を、契約前にざっくり出してもらってください。下地ありで間仕切り壁を1枚立てるだけなら十数万円から、ドアや造作収納を伴うと数十万円という幅で見ておくと、判断を先送りせずに済みます(金額は地域と仕様で動くので、必ず自社の見積もりで確認を)。
ちなみに、可動間仕切りや大きな収納家具で仕切る方法もあります。工事は不要ですが、音と光は通ります。思春期のプライバシーが目的なら固定壁、当面のゾーニングが目的なら家具、と分けて考えるのが現実的です。
この5項目は、打ち合わせで自分から切り出さないと出てこないことがほとんどです。会社によって「将来間仕切り」の標準仕様は本当にバラバラなので、下地とドア2つが標準で入るのか、オプションでいくらなのかは早めに聞いておくと安心です。複数社の仕様を見比べたい場合は資料請求で間取り例を取り寄せるのが手っ取り早いと思います(無料・営業なし)。
子供部屋をどこに置く? 2階・1階と階段の関係
取材した家アカでは、子ども部屋は2階に置く例が多数派でした。1階をLDKと水回りで完結させ、2階は寝室・子ども部屋・収納にまとめる考え方です(takenoko__house さんの家のように、2階を「使う頻度の少ない空間」と割り切る設計)。一方で平屋を選んだ家では、子ども部屋を主寝室と離して配置し、間に水回りやホールを挟んで音を切っているケースが目立ちます。
配置で押さえておきたいのは次の3点です。
- 玄関からリビングを通って子ども部屋へ行く動線にする。玄関ホールから直接階段だと、帰宅しても顔を合わせないまま部屋に入れます。リビング階段にするかどうかは、この一点で決めて問題ありません。
- 主寝室と子ども部屋を壁1枚で隣接させない。受験期の夜型と親の生活時間はずれます。クローゼットや廊下を挟むだけで体感はかなり変わります。
- トイレ・洗面との距離。2階に子ども部屋を2つ置くなら、2階にも洗面かトイレがあると朝が回ります。
動線そのものの考え方は生活動線の間取りの記事で詳しくまとめています。
家アカ取材で繰り返し出てきた、子供部屋の後悔
取材記事のなかで、子ども部屋まわりの「こうすればよかった」として何度も出てきた内容を、多かった順に並べます。
| よく出た後悔 | 図面段階での潰し方 |
|---|---|
| 分けたらドア・窓・エアコンが片側に寄っていた | 分割線を引いた図面で、開口と設備が左右対称かを確認する |
| クローゼットの奥行が浅く、服が斜めにしか掛からない | 内寸60cm以上を確保。45cmはハンガーが収まらない |
| 広くしすぎて、中高生になると部屋から出てこない | 個室は絞り、共用に学習カウンターや畳コーナーを置く |
| 収納がベッド上の吊り棚だけで、成長後に足りない | 教科書・部活道具・季節物まで想定して床置き収納を確保 |
| 机の位置にコンセントがなく、床を延長コードが走る | 机の予定位置に2口以上、枕元にも1か所 |
「広くしすぎた」は意外に思われますが、家全体の広さと満足度を調べた家の広さで後悔したのはどこ?でも同じ傾向が出ています。面積を個室に配ると、LDKや収納が痩せて全体の満足度が下がる。子ども部屋は家のなかで最も使用期間が短い部屋で、実質的に使われるのは10年前後です。ここに面積を厚く配るかどうかは、慎重に決めていい部分だと思います。

クローゼットは奥行60cm。子供部屋の収納で失敗しないために
子ども部屋の収納で最も多いつまずきが奥行です。ハンガーに掛けた大人サイズの服は肩幅がおよそ55cm。クローゼットの内寸で60cmないと、服が前に出っ張って扉が閉まりません。図面の壁芯で「60cm」と書いてあっても、石膏ボードと枠を引くと内寸は55cm前後になることがあるので、内寸で確認してください。
もうひとつ、小学生のうちはハンガーパイプに手が届きません。パイプを2段にする、もしくは可動棚にしておくと、成長に合わせて使い方を変えられます。家全体の収納配分の考え方は後悔しない収納計画にまとめてあります。
リビング学習を続けるなら、子供部屋は小さくていい
取材した家アカでも、LDKや階段ホールにスタディカウンターを設けている家がいくつもありました。小学生のうちは親の気配があるところで勉強する子が多く、子ども部屋の机は物置になりがちです。
この前提に立つなら、間取りの答えはこう変わります。子ども部屋を4.5〜5畳に抑え、浮いた面積でLDK側に幅120cm以上の学習カウンターと、教材をしまう収納をつくる。カウンターの奥行は45cmあればノートとタブレットが並びます。テレビの正面を避けて配置するのがコツです。LDK全体の設計はリビングの間取りの記事で解説しています。
逆に、中学受験を考えている、きょうだいの年齢が離れている、といった事情があるなら、早い段階から個室で集中できる環境が要ります。ここは家庭の方針で分かれるところなので、正解を外から決めないほうがいい部分です。
子供部屋の間取りを決める3ステップ
STEP1:子どもが18歳のときの家族構成を紙に書く
今ではなく、10年後を基準にします。上の子が高3のとき下の子は何歳か。そのとき個室が何部屋要るか。ここを書き出すだけで、「そもそも分ける必要があるのか」がはっきりします。年齢差が5歳以上あると、個室が同時に必要な期間は意外と短いことがあります。
STEP2:分割線を引いた図面に、家具を実寸で描き込む
1/50の図面に、ベッド100×200cm、机110×60cm、椅子を引く前方60cm、クローゼットの扉が開く範囲を描きます。ここで通路が60cmを切るなら、その広さでは足りません。設計士に頼めば家具入りの図面を出してもらえます。頼まないと出てこないことが多いので、自分から言ってください。
STEP3:電気図面を「分割後」でチェックする
照明の回路、スイッチの位置、エアコンのスリーブ、コンセントの数。この4つを分割後のレイアウトで確認し、必要なら着工前に直します。電気図面の承認後は変更に費用がかかるので、期限を必ず確認しておきましょう。
次にやること
子供部屋の間取りは、単体で考えても答えが出ません。LDKの広さ、収納の配分、階段の位置とセットで動くからです。同じ坪数でどんな配り方があるのかは、実際に建った家の間取りを何軒か並べて見るのがいちばん早いと思います。いえスタでは家アカの実例を間取りタイプ別に見られるようにしてあります。
そのうえで、子育て世帯の間取り提案が上手い会社は本当に会社ごとに差があります。気になる会社があれば、資料を取り寄せて実際の間取り例を見比べてみてください。無料で、しつこい営業もありません。いえスタの資料請求はこちら。「将来2部屋に分けたい」と伝えたときにどんなプランが返ってくるかで、その会社の設計力はかなり分かります。


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