関西エリアで建てる、和モダン(ジャパンディ)の2階建て・4LDK・3人家族・延床30坪・土地42坪の家。「夫婦ともに本が好きで、吹き抜け壁一面の本棚がこだわり」「囲われた中庭でリビングにカーテンが不要、代わりに障子を採用」「LDK19帖をウッドデッキと吹き抜けで広く見せる」という施主のこだわりを軸に、コンパクトな延床と土地でありながら、本棚・中庭・大開口・造作で“好き”と“広がり”を両立させた事例です。土地42坪というコンパクトな敷地に、吹き抜け壁一面の本棚という強い個性と、囲われた中庭による採光・プライバシーを成立させ、和モダンとジャパンディを掛け合わせた静かで上質な空間に仕上げています。「狭さを感じさせない設計の工夫」が、この家のいちばんの読みどころです。
この記事では、家アカの写真だけでは伝わりにくい「なぜこの家がうまくいっているのか」を、いえスタ編集部の視点で読み解きます。関西エリアでコンパクトな2階建てを検討している方、吹き抜けや中庭に興味がある方、3人家族の和モダン・ジャパンディな家づくりに悩んでいる方の判断材料になればうれしいです。
この家の基本情報
| 家タイプ | 2階建て |
|---|---|
| 間取り | 4LDK |
| 延床面積 | 30坪 |
| 土地面積 | 42坪 |
| テイスト | 和モダン(ジャパンディ) |
| 地域 | 関西エリア(近畿地方) |
| 家族構成 | 3人家族 |
| 建築会社 | 非公開 |
| 主な設備 | 食洗機(ビルトイン) / 造作洗面台 / 浴室乾燥機 / タンクレストイレ / パントリー |
| 収納の工夫 | ウォークインクローゼット / シューズクローク |
| 暮らしの工夫 | 吹き抜けのある家 / 中庭のある家 / 書斎・ワークスペース / ウッドデッキ・テラス |
施主のこだわりポイント(投稿より引用)
夫婦ともに本が好きで、吹き抜け壁一面の本棚がこだわりポイントです。デザインテイストは和モダンを選択していますが、ジャパンディスタイルです。キッチン、洗面所、一部扉が造作です。リビングの大開口、中庭もお気に入りのポイントです。囲われた中庭によってリビングにはカーテンが不要で、すっきりとした印象になっています。カーテンの代わりに障子を採用しています。LDKで19帖ほどですが、ウッドデッキと吹き抜けによって広く見えるような工夫をしています。
— @_____yusansan さんの投稿より、編集部が引用
編集部メモ:この家を一言で言うと
「土地42坪・延床30坪というコンパクトな前提に、吹き抜け壁一面の本棚という強い個性と、囲われた中庭による採光・プライバシーを組み込んだ、和モダン×ジャパンディの2階建て4LDK」。この家のいちばんの個性は、「本好き夫婦の好き」という感性的なテーマと、「コンパクトな家を広く見せる」という機能的なテーマを、設計の工夫で同時に成立させている点です。吹き抜けの縦空間を壁一面の本棚にして“好き”を象徴化し、囲われた中庭で外からの視線を遮りながら光を採り、大開口とウッドデッキでLDK19帖を体感的に広げる。さらにキッチン・洗面・一部の扉を造作にして、和モダンとジャパンディに通じる素材感と統一感をつくる。狭さを感じさせない工夫と、暮らしの個性が、静かで上質な空間として一本にまとまっています。
編集部が注目した3つのポイント(この家固有)
1. 吹き抜け壁一面の本棚 — 本好き夫婦の「好き」を空間の主役にする発想
「夫婦ともに本が好きで、吹き抜け壁一面の本棚がこだわり」という施主の言葉どおり、この家のいちばんの個性は、吹き抜けの壁を丸ごと本棚にしていることです。これは2つの意味で優れた発想です。1つは、吹き抜けという“縦の空間”を、ただの抜けではなく「本を飾る面」として使い切っていること。床面積を増やさずに大量の蔵書を収められ、本そのものが空間のデザイン要素になります。もう1つは、「本が好き」という夫婦のアイデンティティを、家の中心に堂々と据えていること。家アカの中でも、住む人の“好き”がこれほど明確に空間化された例は印象に残ります。
壁一面の本棚を吹き抜けに設けると、リビングのどこからでも背表紙が目に入り、知的で落ち着いた雰囲気が生まれます。和モダン・ジャパンディの静かなトーンと、本の色やテクスチャーは相性が良く、生活感ではなく“趣味の豊かさ”として見せられるのも魅力。高い位置の本にどう手を届かせるか(可動式のはしごやキャットウォークなど)は設計時の検討ポイントですが、それも含めて「本と暮らす家」という強いコンセプトが、この家の完成度を支えています。
2. 囲われた中庭 × 障子 — カーテンを不要にする採光・プライバシー設計
「囲われた中庭によってリビングにカーテンが不要、代わりに障子を採用」というこだわりは、コンパクトな敷地ほど効いてくる、非常に巧みな設計です。土地42坪という都市部のコンパクトな敷地では、外に向けて大きな窓を取ると、隣家や道路からの視線が気になりがち。そこで建物の内側に囲われた中庭を設けることで、(1)外からの視線を完全に遮りながら、(2)中庭を通して安定した自然光を採り込み、(3)リビングに“抜け”と緑を生む——という3つを一度に解決しています。
視線が気にならないため、リビングの窓にカーテンが要らなくなり、代わりに障子を採用。障子はやわらかい光を通し、和モダン・ジャパンディの世界観にぴったりの建具です。カーテンがないことで窓まわりがすっきりし、空間の抜け感がさらに高まります。中庭は「使わない余白」ではなく、採光・通風・プライバシー・意匠をまとめて担う“働く余白”。コンパクトな敷地でこそ、その価値が際立つ設計判断です。
3. 30坪4LDK × 大開口・ウッドデッキ・吹き抜けで「広く見せる」
「LDK19帖をウッドデッキと吹き抜けで広く見せる」という工夫は、コンパクトな家を心地よく住むための王道テクニックを丁寧に実践したものです。LDK19帖は数字だけ見ると標準的ですが、この家はそれを“体感的に”広げています。ポイントは3つ。まず吹き抜けで天井方向に視線を抜き、圧迫感をなくす。次に大開口の窓で中庭やウッドデッキへ視線をつなぎ、内と外を一体に見せる。そしてウッドデッキをリビングの延長として使うことで、実際の床面積以上の“居場所”を生み出します。
内と外の境界をあいまいにする手法は、和モダン・ジャパンディが得意とするところ。中庭・ウッドデッキ・吹き抜けが連動することで、30坪・LDK19帖という延床でも、開放感のある暮らしが実現できます。さらにキッチン・洗面・一部の扉を造作にすることで、既製品では出せない素材感と寸法の最適化を図り、コンパクトでも質の高い空間に。「広さ」を面積ではなく“見せ方”でつくった、設計力の光る一軒です。
この家から学べる、コンパクトな家を広く見せる3つの判断軸
判断軸1:吹き抜けは「縦の抜け」で狭さをカバーする
吹き抜けは、床面積を増やさずに開放感を生む強力な手法です。天井方向に視線が抜けることで圧迫感が消え、コンパクトな家でも広く感じられます。今回のように壁面を本棚や見せる収納に使えば、空間の個性づくりにも一役。ただし冷暖房効率や音・においの伝わりやすさには注意が必要なので、高断熱・全館空調や間取りの工夫とセットで検討するのがおすすめです。
判断軸2:中庭は「視線を切りながら光を採る」コンパクト敷地の切り札
都市部のコンパクトな敷地では、外向きの大きな窓は視線の問題がつきまといます。建物の内側に囲われた中庭を設ければ、プライバシーを保ちながら安定した採光が得られ、カーテンも不要にできます。中庭は建築面積を取るぶん、間取り全体のバランスとセットで考えるのが前提。「どの部屋から中庭を見せ・開くか」を設計初期に決めておくと精度が上がります。
判断軸3:30坪台は「広く見せる」工夫で体感面積を増やす
延床30坪台のコンパクトな家は、実面積を増やすより「広く見せる」工夫で満足度が上がります。大開口で内と外をつなぐ、ウッドデッキをリビングの延長にする、吹き抜けで縦に抜く、視線の先に中庭や緑を置く——これらを連動させると、数字以上の広がりが生まれます。造作で寸法と素材を最適化するのも、コンパクトな空間を質で底上げする有効な方法です。
2階建ての坪数別 間取り比較|28坪・30坪・33坪・36坪の違い
同じ「2階建て」でも、坪数が変わると吹き抜け・中庭・LDKの取り方が大きく変わります。コンパクト〜標準サイズで検討されやすい4サイズを比較しました。
28坪 2階建て(3LDK〜4LDK)
2〜3人家族のミニマムサイズ。LDK16〜18畳+主寝室+個室1〜2室が中心。吹き抜けや中庭を取るなら、個室や収納とのバランスをシビアに設計する必要があります。広く見せる工夫の効果が大きいサイズです。
30坪 2階建て(4LDK/本記事の事例)
3人家族にちょうど良いコンパクトサイズ。LDK19帖前後に加え、吹き抜け・中庭・ウッドデッキ・造作といった工夫を取り込める。今回の事例のように、コンパクトでも「広く見せる」設計と強い個性(壁一面の本棚)を両立させやすい、工夫しがいのある坪数です。土地42坪のような都市部の敷地とも相性が良いボリュームです。
33坪 2階建て(4LDK)
3〜4人家族のゆとりサイズ。LDK20畳+子ども部屋2室+書斎やパントリーの余裕が出てくる。中庭や吹き抜けを取りつつ、個室にもゆとりを持たせたい層に向きます。
36坪 2階建て(4LDK〜)
4人家族の余裕サイズ。各室を広く取り、吹き抜け・中庭・大型収納などを贅沢に組み合わせられる。延床が増えるぶん建築費・光熱費も上がるため、必要な部屋数と暮らしの工夫のバランスを見極めたいサイズです。
2階建て 3LDK と 4LDK|家族構成別のおすすめと選び方
2階建てを検討する際、3LDKか4LDKかで迷うケースは多いものです。家族構成と将来の暮らしから逆算して選びましょう。
3LDK 2階建てが向いている人
2〜3人家族で、LDK+主寝室+子ども部屋(または書斎)の構成を取りたい世帯。坪数を抑えて、吹き抜けや中庭などの「好き」と「広く見せる工夫」に面積を振りたい層に向きます。延床26〜30坪が中心です。
4LDK 2階建てが向いている人
3〜4人家族で、子ども部屋を将来2室に分けたい世帯や、書斎・予備室を確保したい世帯。今回の事例のように、3人家族でも将来に備えて個室を確保しつつ、共有空間に工夫を凝らしたい層に向きます。延床30坪以上が目安で、コンパクトに収めるなら間取りの工夫が鍵になります。
和モダン・ジャパンディ住宅で比較したいハウスメーカー
和モダンやジャパンディは、造作対応・素材感・余白の設計力でメーカーの差が出やすいジャンルです。建築会社の方向性を整理しました。
自由設計に強い工務店・設計事務所|造作と余白を追い込む選択肢
吹き抜けの本棚・囲われた中庭・造作キッチンなど、意匠と寸法を細かく追い込みたいなら、自由設計に強い工務店や設計事務所が有力。素材やディテールの自由度が高く、和モダン・ジャパンディの静かな世界観を作り込みやすい。コンパクトな敷地での中庭や吹き抜けの提案力も期待できます。
デザイン提案に強い大手ハウスメーカー|安心感と提案力の選択肢
大手は和モダンの施工事例が豊富で、規格化された品質・保証・アフターの安心感が強み。インテリアコーディネーターの提案力も期待できます。価格帯は上がりますが、「安心感とデザイン提案を両立したい」層向け。造作や中庭の対応範囲は各社差があるため、事例で確認するのがおすすめです。
地域密着の地場ビルダー|コストと地域適性の選択肢
地域の気候・土地事情に合った設計と、大手より抑えやすい価格が魅力。狭小・コンパクトな敷地での実績が豊富な会社なら、中庭や吹き抜けの工夫も相談しやすい。「地域密着でコストを抑えつつ作り込みたい」層向け。
比較する際のチェックリスト
- 2階建て4LDKでの標準仕様(窓・サッシ・断熱等級・換気・サニタリー)の範囲
- 吹き抜け・中庭・造作(キッチン・洗面・扉)の標準/オプション区分と対応力
- 大開口や障子など、和モダン・ジャパンディの建具・開口部の提案力
- ウォークインクローゼット・パントリー・シューズクロークなど収納提案の柔軟性
- 吹き抜けに伴う冷暖房・断熱・音の対策(高断熱・全館空調の有無)
1社で決め切らず、最低3社で同条件相見積もりを取ってから判断するのが後悔しないコツです。
関西エリアで建てる人へ|編集部メモ
関西エリアは都市部を中心に土地価格が高く、今回のように40坪前後のコンパクトな敷地で建てる2階建てが多くなります。土地42坪に30坪の家を建てる今回の構成は、囲われた中庭・ウッドデッキ・吹き抜けで「狭さを感じさせない」工夫を凝らした現実的な選択。コンパクトな敷地ほど、中庭による採光・プライバシーや、吹き抜けによる縦の抜けといった設計の工夫が効いてきます。自由設計に強い工務店や設計事務所は、こうした凝った間取りを反映しやすく、関西の都市部の敷地と好相性です。
比較するときは、必ず同じ条件(延床・LDK・断熱等級・吹き抜け・中庭の有無)で見積もりを取り、坪単価だけで判断しないこと。吹き抜けや造作はメーカーによってオプション区分が大きく異なり、標準仕様に何が含まれるかでトータル金額が数百万円単位で変わります。コンパクトな敷地では、隣家との距離や採光・通風の取り方も重要なので、現地の条件を踏まえた提案力で会社を選びたいところ。吹き抜けを採用する場合は、冷暖房効率と断熱性能もあわせて確認しておくと安心です。
よくある質問
Q. 吹き抜けは寒い・光熱費がかかると聞きますが大丈夫ですか?
A. 高断熱・高気密と全館空調(または適切な空調計画)をセットにすれば、吹き抜けがあっても快適に保てます。吹き抜けは空気の体積が増えるぶん、断熱性能が低いと暖まりにくく冷えやすくなりますが、断熱等級を上げ、シーリングファンで空気を循環させ、窓の断熱を強化すれば、開放感と快適さを両立できます。今回のように壁一面の本棚を設けると、本自体がある程度の蓄熱・調湿に寄与する面も。設計時に、断熱仕様・空調計画・窓の性能をあわせて検討しておくのがおすすめです。
Q. 囲われた中庭はメンテナンスが大変ではないですか?
A. 中庭は採光・通風・プライバシーを一度に解決できる一方、排水計画と植栽の手入れがポイントになります。雨水の排水詰まりを防ぐ床材・排水設計を最初にしっかり行うこと、植栽を管理しやすい範囲にとどめることが有効です。今回のようにカーテンを不要にできるメリットや、リビングの抜け・採光の価値は、手間を上回る満足度につながりやすいもの。コンパクトな敷地で外向きの窓が取りづらい場合は、特に中庭の効果が大きくなります。設計段階で水はけと掃除のしやすさを確認しておくと安心です。
Q. 延床30坪の4LDKは3人家族に十分ですか?
A. 十分です。3人家族であれば、LDK+主寝室+子ども部屋+書斎(予備室)といった4LDKの構成にできます。今回の事例のように、吹き抜け・中庭・大開口・ウッドデッキで「広く見せる」工夫を凝らせば、コンパクトでも開放感のある暮らしが実現できます。むしろ延床を抑えるぶん、建築費・光熱費・掃除の負担を抑えられるメリットも。個室をコンパクトにして共有空間に面積を振る、造作で寸法を最適化するなど、面積を“質”に変える工夫がポイントです。子どもの成長で個室の使い方が変わったときに転用できる可変性を残しておくと、さらに安心です。
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編集後記
@_____yusansan さんの家は、写真だけ見ると「中庭のある和モダン・ジャパンディな2階建て」ですが、こだわりを読み解くと、「本好き夫婦の好き」と「コンパクトな家を広く見せる工夫」を、吹き抜けの本棚・囲われた中庭・大開口で同時に叶えた設計判断が見えてきます。土地42坪・延床30坪という限られた条件を、面積ではなく“見せ方”と“個性”で豊かにした——制約を魅力に変えるバランス感が、この家の魅力です。家アカは「写真の雰囲気」だけで判断されがちですが、こうやって背景を分解すると、自分が建てるときに何を優先するかが見えてきます。コンパクトな敷地で和モダン・ジャパンディを目指す方、吹き抜けや中庭に憧れる方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハウスメーカー・工務店を比較したい方へ
関西エリアでコンパクトな和モダン・ジャパンディの2階建てを建てるなら、造作と余白に強い工務店、デザイン提案に強い大手、地域密着の地場ビルダーを複数比較してから決めるのが安全です。希望条件に合う間取りプランを複数社から無料でもらえるサービスの活用がおすすめです。条件(2階建て・和モダン・4LDK・中庭・吹き抜け・予算)を入力するだけで、ハウスメーカー・工務店から具体的な間取り案が届きます。
- 2階建て
- 4LDK
- 30坪
- 42坪
- 和モダン
- 食洗機(ビルトイン) | 浴室乾燥機 | 造作洗面台 | タンクレストイレ | パントリー(食品庫)
- ウォークインクローゼット | シューズクローク
- 吹き抜けのある家 | 中庭のある家 | 書斎・ワークスペース | ウッドデッキ・テラス
- 京都府
- 3人家族
-
夫婦ともに本が好きで、吹き抜け壁一面の本棚がこだわりポイントです。
デザインテイストは和モダンを選択していますが、ジャパンディスタイルです☺︎キッチン、洗面所、一部扉が造作です。
リビングの大開口、中庭もお気に入りのポイントです。囲われた中庭によってリビングにはカーテンが不要で、すっきりとした印象になっています。カーテンの代わりに障子を採用しています。
LDKで19帖ほどですが、ウッドデッキと吹き抜けによって広く見えるような工夫をしています。


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